「北陸ヤーンフェア」開幕/開場から盛況、商談活発/新顧客開拓に期待高まる
2017年11月09日 (木曜日)
「第2回北陸ヤーンフェア」(主催は北陸ヤーンフェア事務局)が8日、金沢市の金沢流通会館で開幕した。開場の午前10時から多くの来場者が訪れるなど、同展のテーマ「すべては、糸から。」が表すように繊維製品の基本となる糸への関心の高さをうかがわせた。会期は今日9日まで。
今回展には合繊、紡績、糸加工、商社などから22社が顔をそろえ、多彩な糸を出品し来場者の関心を集める。実質的な運営を行う蝶理の吉田裕志取締役執行役員繊維第一本部長が「今回展は事前の問い合わせも多く、特にアパレル企業から来場したいとの話も多かった。製品の差別化に向けて糸への関心が高まっているのではないか」と言うように、開場すぐに各ブースを訪れて熱心に話を聞く来場者が見られた。
今回展の特徴の一つは合繊メーカーが商事子会社を含めてほぼ出そろった点。しかも各社各様に出展内容に違いを見せた。
東レは「オーバー・ザ・ナチュラル~合成繊維は天然繊維を超える~」という刺激的なテーマに掲げ、定番糸を活用しながら、糸加工を駆使してポリエステル長繊維で綿、麻、毛、絹を代替できることをアピール。生地と縫製品で訴求した。
帝人フロンティアは前回よりも出品内容を大幅に拡充。グループ企業の東邦テキスタイルと共同ブースを構えた。新素材である高発色素材である「シルフィル」のポリマーを使用したファッション衣料向けに丸断面糸による「美影」とW型断面糸使いの「美影ドライ」を打ち出す。
合繊メーカーだけではない。今回は綿紡績から新内外綿、ラメ糸製造の泉工業(京都府城陽市)、クラウン工業(京都市)、糸商の福富(金沢市)、さらに機械メーカーでは村田機械、島精機製作所が初出展するなど、展示会の幅も広がった。
村田機械は渦流精紡機「ボルテックス」、島精機製作所は「ホールガーメント」横編み機「MACH2XS」をPR。村田機械は「北陸産地は合繊長繊維産地だが、国内機械メーカーとしてアピールするとともに、ニッターなど川中企業との出会いの場にしたい」と言う。島精機製作所は「スポーツウエアやインナー向けに北陸産地企業でもホールガーメント導入の検討が進んでいる。今回展を通じて新顧客の開拓につなげたい」と意気込む。
同展には北陸産地企業だけでなく、他産地の川中企業や川下企業も訪れており、あるニットアパレルは「価格も含めて合繊長繊維の可能性を感じる。新しい糸を探したい」と話すなど、合繊長繊維に対する関心の高さを感じさせた。