クローズアップ/蝶理 取締役執行役員 繊維第一本部長 吉田 裕志 氏/糸への関心高まり感じる
2017年11月10日 (金曜日)
8、9の両日、石川県金沢市の金沢流通会館で「第2回北陸ヤーンフェア」が開催された。実質的に運営を行った蝶理の吉田裕志取締役執行役員繊維第一本部長に話を聞いた。
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――今回展は昨年の第1回に比べて出展者数が22社と9社増え、会場も広くなり、開催期間も2日に増えました。
今回展は事前に問い合わせもあり、アパレルなど川下企業からも関心が高く、繊維製品の差別化に向けて、糸に対する意識が高まっていると感じています。
――今回展の特徴は。
ほとんどの合繊メーカーが出展したことが大きいですね。出品内容も各社の特徴が見られ、独自性があり、各合繊メーカーの方向性が表れています。来場者の皆さんには同展を通じて次へのモノ作りに向けてプラスになったのではないでしょうか。
北陸産地を中心とする糸加工メーカーも、合繊メーカーにはない加工糸を提案されました。長繊維だけでなく、綿紡績はじめ短繊維系も出品されたことで、さまざまな糸が一堂に集まりました。さらに島精機製作所、村田機械の機械メーカー2社も含めて広がりを見せたと考えています。
――その北陸産地の商況はいかがですか。
悪くはありません。川中企業の稼働率も高まっています。細繊度高密度織物などはスペース不足となっていますし、来春までの受注が取れていると聞いています。丸編みも好調ですし、トリコットも回復基調。糸加工スペースも仮撚加工も満杯となっています。
北陸産地は衣料だけでなく、インテリアや産業資材など幅広く、欧米や中国への輸出もあります。日本でこうした繊維産地は、北陸以外にはありません。その面で北陸産地のプレゼンスはさらに高まっていると思います。
その北陸産地に対して、原料となる糸を提案できる場がこれまでなかった。当社はその機会を作ったということです。