防災セミナー開催/学校関心高める/明石SUC

2017年11月24日 (金曜日)

 学生服製造大手の明石スクールユニフォームカンパニー(明石SUC、岡山県倉敷市)は21日、大阪市内で総合展示会を開くとともに、神戸学院大学社会防災学科の前林清和教授を招き、防災セミナー「南海トラフ巨大地震に備えて」を開いた。生徒たちの防災力強化や、教職員の心掛けなど分かりやすく解説、セミナー参加者への関心を高めた。

 同社は7月から、「明石SUCセーフティープロジェクト(ASP)」として神戸学院大と産学連携で防災教育や防災関連商品の開発を本格化。展示会場には安全・防災教育コーナーを設け、高視認ベストやコンパクトに収納できる防災用ヘルメット「セーフメット」など紹介したほか、防災セミナーを開き、学校での防災の重要性を訴えた。

 前林教授は「日本は世界でも有数の災害大国で、世界でも4番目に自然災害に遭いやすい国」と指摘。特に南海トラフ巨大地震は、30年以内に70%の確率で発生する可能性がある。震度7、津波最大高34メートル、死者32万人も想定され、「まずは学校の先生が率先して自信を持って防災訓練をしながら、生徒の防災への意識を高める必要がある」と強調した。

 さらに「学校防災の最大の目的は、先生が生徒の命を守ること」であり、日々の心掛けや訓練、防災への備えの重要性を説いた。

 質疑応答では、「学校では食糧や防災用品の備蓄をしているが、それ以上にどんな準備が必要か」との質問では、前林教授は「学校内だけでなく、登下校中、休みの日なども災害に備え、どう(生徒を)守るかを考える必要がある」と指摘。災害時の連絡方法としては会員制交流サイト(SNS)や災害用伝言サービスなどの有効性を紹介した。