チャイナナウ/中国の消臭市場は拡大する/ボーケン上海試験センター 試験部長 高 麟美 氏
2017年11月27日 (月曜日)
中国では12月1日付でGB(中華人民共和国国家標準)規格の消臭試験(GB/T33610・2=紡織品―消臭性能的測定第二部分:検知管法)が施行される。ボーケン品質評価機構(ボーケン)の上海試験センター(上海愛麗紡織技術検験)の高麟美試験部長らがはこの規格原案作成メンバーとして参画してきた。高試験部長に中国での消臭市場の今後などを聞いた。
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――GBの消臭試験のベースは日本のSEKの消臭試験がベースになったと聞きます。
そうです。SEKの消臭性の評価は対象臭気成分ごとに官能試験と機器分析試験が行われますが、ISO17299としてISO化されました。このうちISO17299―2(検知管法)が今回、GB規格になりました。
――消臭加工が加わった理由は。
中国で消臭加工に対する関心が高いからです。今回の臭気はアンモニア、酢酸、メチルカプタン、硫化水素の4臭気で、汗臭、排せつ物臭、加齢臭です。特に汗臭のニーズが高い状況です。とはいえ、消臭と抗菌(防臭)の概念がまだ混在しているのが実情ですので、GB規格となることで明確になっていくでしょう。ISOになると、審議でもGB化しやすくなります。
――ボーケンとしてどのような役割を果たしましたか。
規格ができても実際にどのように試験するのか、技術面を含めて試験方法の妥当性や運用を検証・評価する必要があります。GBの標準化を取り仕切る中紡標認証(CTTC)と一緒にこの作業を行い、アドバイスもしました。CTTCとは2012年3月から業務提携し、技術交流や検査業務で協力関係を築いています。今後は消臭試験のガスクロマトグラフ法もGB化の視野に入っています。
――上海試験センターは今月、全国衛生産業企業管理協会―抗菌産業分会(CIAA)から「革新力企業」として表彰されました。
CIAA主催の「第11回抗菌産業発展大会」が中国の廈門市で開かれ、中国抗菌業界の発展に尽力したと表彰されました。上海試験センターはCIAA下部組織の抗菌防臭靴下産業連盟に日系試験機関として唯一加盟しており、中国抗菌市場の発展に寄与してきたことが認められたものです。
中国の抗菌市場は生産額で1500億元といわれます。経済発展で健康志向が高まり、有望な市場です。繊維が中心ですが、壁紙や便座など建築材料でも抗菌製品が広がっており、この分野でも貢献していきます。