ユニフォーム総合(9)/メディカル・介護ウエア編/魅力あるウエア、市場に提案

2017年11月29日 (水曜日)

 高齢化が進む中で医療、介護向けのメディカルウエアは2017年も堅調な企業が目立つ。魅力があるウエアを提案し、人手不足を解消しようと各社は機能性とデザインを追求する。さらに18年度は診療報酬と介護報酬のダブル改定が控え、関係者は注目している。

〈メディカルウエア/増収基調続く/新プロジェクト提案も〉

 最大手のナガイレーベンは、2017年8月期、売上高170億円、営業利益52億円と増収増益で最高益を更新した。アイテム別では、主力のヘルスケアウエアが前期比2・8%増と好調だったことに加え、医療機関でリースの「入院セット」が浸透し、患者ウエアが10・7%増と大幅に増えた。

 18年1月には、資生堂の協力を得て開発したナースウエア「ブライトデイズ」を発売する。さらに看護師をモノとコトの両面でサポートする「コスメディックプロジェクト」も始め、全国の医療機関でヘアメーク講座を企画する。ナースウエアの枠を超えた総合的な取り組みで看護師を応援する。

 17春夏を「非常に活気あるシーズンだった」と総括するのは、明石スクールユニフォームカンパニー(明石SUC、岡山県倉敷市)。ユニフォーム全体の売り上げが前期比14%増と大きく伸び、主力の「ルコックスポルティフ」がけん引した。この秋冬に発表したナースジャケットはこれまでになかった女性を意識したデザインで「後発のメーカーだが、認知度が高まっているのを感じる」という。

 トンボ(岡山市)は春夏、作業性に優れたニットスクラブ、ニットケーシーの採用が増えた。検診衣も多くの医療機関に採用され、女性専用のアイテムや寒さ対策の商品が売れた。国が進める地域包括ケアで医療と介護が密接になり、リハビリが強化されている。このため同社は「機能が重視されるユニフォームがより求められる」と開発を進める。

 住商モンブラン(大阪市中央区)は「ローラアシュレイ」、「アシックス」といったブランド商品が底堅い。ローラアシュレイのナースジャケットは今年、プルオーバータイプを新たに投入し商品の幅を広げた。業界トップのシェアを誇る食品サービス分野とともに力を入れる。

 アプロンワールド(東京都千代田区)は「従来に比べ、ユニフォームの更新に積極的な客先が増えた」とし、背景には20年の東京五輪に向け、プラス思考の景気が後押ししているとみる。

 スクラブを主力に展開するフォーク(東京都千代田区)は、「ジップスクラブ」シリーズに伸縮性が高い「ブリースニット」を採用した製品を新たに投入した。肌にまとわりつかず快適に着用できる。オンワード商事は17春夏、大型の別注があり、売り上げが増えた。引き続きメディカル・オリジナルブランド「ラフィーリア」の認知度向上を図る。

〈介護ウエア/機能、動きやすさ追求/現場の士気高める〉

 介護職は深刻な人手不足といわれる。国の調査では団塊の世代が後期高齢者になる2025年には37・7万人の需給ギャップが生じるというデータもある。「現場の士気が上がるユニフォームを作りたい」。メーカー各社は機能性や動きやすさに加え、女性や若者を意識したデザインをそろえる。

 今秋、東京都内で開かれた福祉機器展「HCR2017」では、機能性やデザインにこだわった最新ウエアが披露された。

 トンボ(岡山市)は入浴介助ウエアを大きく紹介した。入浴を介助する際は防水エプロンを着用するのが一般的だが、展示したウエアは水をはじく上に通気性に優れるため、エプロンを付ける必要がない。このほか工業洗濯に対応するニットの患者着も開発し、快適性を追求する。ナガイレーベンは、通気性と伸縮性に優れた「プロファンクション」のデザインを増やして展示した。介護現場でのスクラブ展開にも力を入れるフォークは、色とりどりの商品で固めた。

 シーユーピー(岡山市)は、秋冬に向けてアウターに力を入れた。ジップアップ、Vネックのトレーナーなどを提案した。

 若い世代や女性から人気が高いブランドも多かった。明石SUCは「ルコックスポルティフ」シリーズに新たにドット柄のポロシャツを投入。

 住商モンブランは、「アシックス」「ローラアシュレイ」といった差別化商品に、人気アニメキャラクター「ミニオン」のエプロンを加えた。

 訪問介護向けの新商品の開発も進む。カゼン(アプロンワールド)は、ヘルパーらの利用を想定したバッグを披露した。自転車で移動しやすいようにリュックサックとしても使える。担当者は「現場の負担を軽くするユニフォームを開発したい」と話している。

〈注目企業/明石SUC/「ルコック」が増収をけん引〉

 介護・メディカル分野は市場拡大が見込まれ、この10年で新規参入も多かったが、市場での競争が激しくなる中で、当初見込んでいたようには伸ばせていない企業も少なくない。しかし、明石SUC・アクティブチャレンジ部は、着実に売り上げを伸ばしつつある。

 介護では元々、自社ブランド「ステラベルジェテンダー」を展開していたが、「ルコックスポルティフ」の販売を本格したのが、2013年春から。14年8月からはメディカルウエアの販売を開始し、順調に売り上げを伸ばしてきた。

 フランス発のファッション感性と、スポーツブランドならではの動きやすさを併せ持つ、独自の立ち位置を構築するため差別化企画を強化。「施設のイメージアップツールにつながるウエア」「職員が着用して誇りが持てるウエア」として訴求しながら市場開拓に取り組む。