帝人/東邦テナックスを統合/米国に炭素繊維工場新設

2017年12月04日 (月曜日)

 帝人は、グループ会社で炭素繊維事業を展開している東邦テナックス(東京都千代田区)を2018年4月1日付で統合する。世界的に環境規制に伴う低燃費化への要請が強まる中、航空機分野や自動車分野でグループの総合力を発揮し、「軽くて強い」高機能素材の拡大に取り組む。

 同グループは、今年度始まった中期経営計画「ALWAYS EVOLVING」で、マテリアル事業領域とヘルスケア事業領域を2本柱とし、成長戦略と発展戦略を強力に推進している。

 帝人グループの小山俊也常務執行役員マテリアル事業グループ長は、「グループ内の高機能素材や複合化の情報や技術の共有、人財の最適配置などによって総合力を発揮していきたい」と統合の狙いを語る。

 今回の統合で欧州、米国、シンガポールの事業会社であるトーホウ・テナックス・ヨーロッパ、トーホウ・テナックス・アメリカ、トーホウ・テナックス・シンガポールについては、それぞれテイジン・カーボン・ヨーロッパ、テイジン・カーボン・アメリカ、テイジン・カーボン・シンガポールへの名称変更を予定する。

〈投資額は約350億円〉

 帝人は東邦テナックスの統合とともに、米国・サウスカロライナ州の昨年末に取得していた工場用地(180万平方メートル)に、炭素繊維製造ラインを新設し、その事業運営会社として今月、テイジン・カーボン・ファイバーズ(TCF)を設立することを決めた。これに伴い東邦テナックスは、三島事業所内のプリカーサの生産能力を増強する。

 新工場の稼働は2020年度中を予定し、当初は70人体制でのスタートとなる。同社は今回の設備投資で土地取得費を含めて約350億円を投じる。帝人グループの炭素繊維事業での川上から川下に至るソリューション提案力を強化し、日・米・欧の3極をベースとしたグローバル展開をさらに加速する。

 帝人グループの乾秀桂執行役員炭素繊維事業本部長兼東邦テナックス社長は「米国では現在複数の案件が並行して進んでいる」と、航空機分野を中心とした炭素繊維の需要増を見込む。将来的には米国でのプリプレグの生産なども視野に入れている。