菅公学生服/プレミアムライン/「カンコー」ブランドから

2017年12月05日 (火曜日)

 学生服製造最大手の菅公学生服(岡山市)は、2018年、19年の入学商戦に向け、スクールスポーツの「カンコー」ブランドから「カンコープレミアム」を打ち出す。新素材「グランガード」を採用し、防風・保温、耐久、軽量など「体育着が本来持つべき機能を追求した」と言う。

 グランガードは従来素材に比べ通気量を5分の1程度に抑えた防風性能を持ち、裏面に施された起毛によって冬場の快適性を保つ。特殊組織によりさまざまな着用条件にも耐える高強度素材で、毛玉や毛羽立ちができにくく、ソフトな肌触りなどの特長を持つ。

 「3Dプラスシンクロムーブ」による独自の立体設計で、人体の構造に沿ったフォルムによってスリムなシルエットも魅力。脇を1枚布にすることで腕の動きをスムーズにする。襟の高さは前側にかけて下げることで、窮屈感も軽減。軽量でコンパクトなことから持ち運びもしやすい。

 国内の自社工場による一貫生産でアフターフォローに強みがあることも訴え、従来のスポーツブランドとは違う新たな軸での展開でシェア拡大に取り組む。

 スポーツではほかにも「考える力を育み自分自身へ意識を向ける体育着」として、「カンコースタイリング」の新商品も充実。今までの体育着にないような新鮮なデザインで、豊富な種類のトップスとボトムスの組み合わせで着こなしを楽しめる。ネックウオーマーやリストバンドなど小物も充実させ、これまでにない発想の体育着を広げる。

 「リーボック」はカムフラージュ柄でデザイン性の高いウエアを開発。同ブランドのスクールバッグも投入し、学校や部活動単位での採用を目指す。「カンコー×ファイテン」では、より効果的な位置に配置されたデザイン設計の商品を増やした。

〈18年商戦も新規獲得順調〉

 菅公学生服は、スクールスポーツウエアの18年入学商戦について、「前年並みに新規採用校を獲得できている」(開発本部の田北浩之提案企画部長)とし、順調に市場開拓が進むと言う。

 17年7月のスクールスポーツの売上高は前期比4・4%増の91億円だった。関東だけでなく、関西にもスポーツの専任担当者を置き、地域密着で学校との関係を強化してきたことが奏功した。

 今年10月から11月にかけて東京、大阪、名古屋で開いた総合展「カンコーソリューションフェア」には過去最高の来場者があった。その中で初めて披露した「カンコープレミアム」に対しても既に引き合いがあり、田北部長は「手応えを感じている」と話した。