三菱ケミカル/「真のグローバル企業めざす」/次期社長内定の和賀氏
2017年12月26日 (火曜日)
三菱ケミカルの新社長(2018年4月1日付)に内定した和賀昌之常務執行役員情電・ディスプレイ部門長は22日の記者会見で、「KAITEKI経営の旗印を引き継ぎ、真のグローバル企業を目指す」と抱負を語った。17年4月の3社統合の基盤が整った段階で、収益力の強化やダイバーシティー(多様性)の推進などの課題に取り組む。
18年4月1日から三菱ケミカルホールディングスの社長に専念する越智仁・三菱ケミカル社長は、和賀氏を起用した理由について「発想力、実行力、交渉力に優れている」とリーダーシップを高く評価。自らの指揮下で進めた「統合プラン」の実行役を和賀氏に託す。
米国やシンガポールなど海外経験が豊富な和賀氏を社長に起用した背景には、三菱ケミカルをグローバル企業として飛躍させる狙いもある。和賀氏は「グローバル化とはダイバーシティーのことであり、違う民族も含めた多様性をどう許容し、双方向でコミュニケーションできるかが大事」と組織改革にも意欲を示す。
和賀氏は事業の選択と集中の考え方について触れ、「長年石油化学に携わり、大好きだが、事業は収益力がないと成り立たない。今の日本や当社が作るべき素材は何かを世界を俯瞰して、強みを検討していきたい」と述べた。
わが・まさゆき 1981年慶大・経卒、三菱化成工業(現三菱ケミカル)入社。2012年三菱ケミカルホールディングス執行役員経営戦略室長、13年三菱化学執行役員機能化学本部長、17年三菱ケミカル常務執行役員情電・ディスプレイ部門長。59歳。