クラボウ/国内外で“スマート工場”/新システム導入も視野

2018年01月23日 (火曜日)

 クラボウは国内外工場の“スマート化”を進める。生産設備の稼働状況を数値で把握する見える化と人による業務をロボットに置き換える省人化、営業と生産をIoTで結ぶ新たなシステムの構築の三つが柱となる。

 国内工場と並行して5年後をめどにタイ、インドネシアでも工場のスマート化に一定の道筋をつける。まずは見える化と省人化に取り組む。海外工場でもこれまでより高い精度で品質・納期を管理できるようにし、グループ全体の競争力を高める。

 将来的にはインターネットなどの通信技術を使った、国内外の生産現場と営業の現場とを結ぶシステムの構築にも取り組む。

 システムが運用できるようになれば営業と生産の両面で効率アップが期待できる。具体的には営業社員が取引先でスマートフォンなどから工場の稼働状況をリアルタイムで把握できるようになり、顧客により最適な提案ができる。生産面では工場によって偏ることなく受注できるようになり安定的な操業につながる。

 スマート化に際してはハイテク分野に強みを持つ環境メカトロニクス事業部と協力する。人工知能(AI)、カメラ、センサリング技術などを繊維工場に応用することで、生産の見える化、少人化、新システムの実現を目指す。

 平田政弘執行役員繊維事業部技術部長は「工場のどこにどのような技術を使えばよいのかは既に特定している」とし「今後も継続的に投資を続けていく」と話す。