豊島「テキスタイルネット」/B2B素材販売の運営開始/利便性高めて活性化へ

2018年02月05日 (月曜日)

 豊島は新たに着手したB2Bの電子商取引(EC)サイト運営事業で、同社のテキスタイルや国内の生地・副資材卸販売の活性化を目指す。アパレルウェブから譲り受けて運営を始めたインターネットモール「テキスタイルネット」事業では、利便性を高めるサイトの刷新を実施。ユーザーの利用を増やすとともに新たな出店者を集めて同サイト内の取引を拡大する。

 テキスタイルネットはアパレルウェブが10年前に開始したが、豊島が継承して1月9日に運営を始めた。繊維製品消費でECを通じた最終製品のB2Cが伸びる中、B2BでもECを活用する余地があるとして、同事業に着目した。

 運営主体の豊島も素材を販売しており、合計14社が同サイトを活用。1万件超のバイヤー数が登録されているが、事業拡大へ「まずは取引の活性化が欠かせない」(テキスタイルネットチーム)として、利便性を高めるようサイトを刷新した。

 取引から得る収益の割合を高めた一方、出店料を下げて旧サイトと比べてトータルコストを低くした。スマートフォンやタブレット端末から取引ができるようにしたほか、購入ごとにトップ画面に戻る必要があった旧システムも変更。サイト内をスムーズに移動しながら素材を確認できるようにした。検索時間も短くなったという。

 新サイトの開始以降、システム上の不備や利用方法に関する問い合わせがある状況。積極的な利用者を増やすため「こうした声を真摯(しんし)に受け止め、事業コンセプトと照らし合わせながら優先課題を決めて素早く改善する」と足元の課題を語る。素材販売を伸ばしたい出店者と大手アパレルやこれからの成長ブランドを「マッチングする場にしたい」との展望も持つ。

 出店者の増加にも取り組む。産地企業を含めテキスタイル販売に力を入れている企業に、社内外の展示会などで提案する。越境販売向けシステムの開発も視野に入れる。