帝人フロンティア/高機能原綿の提案強化/タイ移管で供給体制充実

2018年02月09日 (金曜日)

 帝人フロンティアのエンジニアリングファイバー部は、寝装、衣料用高機能原綿の提案を強化している。

 寝装の中わた用高機能原綿は2018年3月期、前期比2%増収を見込む。特に防ダニ・抗菌防臭の「マイティトップⅡECO」は15%増。寝装用はレギュラー原綿が減り、高機能原綿が全体の60%近くになっている。19年3月期は5%増を計画する。

 寝装用ではタイのテイジン・ポリエステル・タイランド(TPL)を軸とした供給体制の構築も強みにする。

 帝人グループは14年11月に発表した構造改革で高機能ポリエステル原綿の主力工場であった徳山事業所を閉鎖し、寝装用はTPLへ約9割を移管した。かさ高性や保温性に優れる3孔中空糸は、徳山事業所の生産キャパシティーが限られていたが、移管に合わせて「十分に作ることができ、活用しやすくした」(浅田和重部長)。さらに、在庫を国内に備蓄することによって、オンタイムデリバリーに対応する。

 高機能原綿では、ポリトリメチレン・テレフタレート(PTT)繊維「ソロテックス」の中空タイプを細繊度化(3・3デシテックス)したほか、中空糸に8本の突起を放射線状に配列したオクタを組み合わせたものをそれぞれラインアップに加え、衣料・寝装用中わた用への浸透を図る。

 ほかにも高機能ポリエステルクッション材「エルク」を使用した縦型不織布「V―Lap」のバインダーの融着を工夫することで、耐久性を保ちながらこれまでより2倍近くにかさ高性を高めたタイプを提案。欧米のスポーツメーカーの衣料用途や、国内の掛け布団用に提案する。

 pHコントロールや抗ウイルス加工の側地の提案も強める。

 帝人グループは9日まで「トータルライフソリューション展2018」をサンライズビル(大阪市中央区)で開催。快適や健康をテーマにし、高機能原綿をはじめ、製品ブランド「ティーコンフォート」などを提案している。