豊島/デジタルツールで提携拡充/EC活性化を取り組みに

2018年02月22日 (木曜日)

 豊島は電子商取引(EC)によるファッション消費の利便性向上に貢献するサービスを提供するベンチャー企業などとの業務提携を広げている。

 スマートフォン用アプリやEC用サービスを提供している企業に顧客を紹介。EC利用の活性化によって、間接的に豊島と顧客ブランドとの取り組み強化につなげる狙いがある。23日までアーツ千代田(東京都千代田区)で開く18秋冬製品展では、豊島と業務提携する企業が出展している。

 トレンド分析に基づいた製品提案に加え、デジタル技術・サービスと組み合わせた販売促進に貢献する取り組みも必要として業務提携先を増やしている。同展でブースを設けて提携先4社の取り組みを紹介した。

 スタンディングオベーション(東京都渋谷区)が運営する「クローゼット」は、自分の持っている商品を登録すると他のユーザーやコーディネーターが着合わせを提案してくれるアプリ。コーディネートに関する質問数と回答数や作成されたコーディネートの数が増え、積極的な利用者が増えている。

 スタイラー(同)が提供するアプリ、ウェブサイト「フェイシー」は消費者が探している商品の相談を投稿すると、同サイトに参加する全国300店舗のショップ店員などがニーズに合う商品を提案するもの。月間50万人程度の利用者数のほか、同サイトを販売チャネルとして利用するブランドや店舗の数を増やしていく。

 バーチャサイズ(同)は、ECサイトで購入した手持ちの商品を登録すると、他サイト・ブランドの同カテゴリー商品とサイズの違いを比較して購入の参考にできるサービス「バーチャサイズ」を展開している。大手セレクトショップECサイトなど約40社が導入しており、平均購入単価で2割増、返品率3割減などの効果が出ているという。

 エクスチェンジコーポレーション(同港区の簡易決済サービス「ペイディー」は携帯電話番号とメールアドレスのみで決済を完了できるサービス。14年に開始以降、16年までで口座数が50万件だったが、17年11月には100万件と倍のペースで利用が増えている。

 いずれも「試着ができずサイズ感が分からない」「コーディネートの仕方が分からない」といったEC利用を妨げるハードルを下げるサービス。ECの拡大につなげる工夫を連携して提案することで、双方の事業拡大を促す。