豊島/「テンセル」長繊維販売へ/19春夏向けから国内外

2018年02月22日 (木曜日)

 豊島は19春夏向けから、オーストリアのレンチング・ファイバーズが開発した精製セルロース長繊維「テンセル リュクス」を使った織・編み物を国内外に販売する。経糸にシルク、緯糸にテンセル リュクスによる織物などをラインアップし、「シルク代替を狙いにラグジュアリーブランド向けを中心に展開する」(濱野貴志三部部長)。

 21日開幕した「ジャパン・ヤーン・フェア」で国内初披露となるテンセル リュクスはレンチング初の長繊維。テンセル短繊維と同じく、原料となる木材パルプからクローズドシステムによる生産など環境への影響を最小限に抑えたサステイナブルな素材。

 糸種は40デシテックス(T)/30フィラメント(F)で、現在20T/10Fも開発中。糸値は1キロ当たり5500~6千円。

 現在はオーストリア本社工場のパイロットプラントで生産するが、18年第3四半期には生産規模も含めて量産設備の導入を決定する予定。

 テンセル リュクスによるテキスタイルを取り扱うのは世界で豊島とイタリアの機業場兼染工場のみ。

 20日、豊島名古屋本社で会見したレンチング・ファイバーズ〈香港〉のマーティン・ノイントイフェルマネージャーは「ビジネスパートナーとして歴史も長く、高品質なモノ作りでのノウハウもある」と豊島を評価し、テンセル リュクスの展開の戦略的パートナーとして選んだと話した。

 豊島は2年前、テンセル リュクスのテキスタイル開発に着手した。染色加工など難度は高かったが、時間をかけて国産により技術を確立した。

 今月13~15日に開催されたフランスのファッション関連見本市集合体「プルミエール・ヴィジョン」に出展した日本企業のブースでテキスタイルを出品し、メゾン中心に17社のピックアップがあったという。