ダイワボウノイ/親水化PP短繊維展開/水分率高めて特長付与

2018年03月16日 (金曜日)

 ダイワボウノイは親水化ポリプロピレン(PP)短繊維「デューロンHp」の提案を始める。機能性マスターバッチ製造技術を用いた素材で、約0・3%の水分率を持ち(通常、PPの公定水分率は0%)、静電気抑制などが特長となる。スエットなどの製品展開(OEM)のほか、原綿の販売も視野に入れる。

 デューロンHpの特長は水分率の向上にある。わずか0・3%ながら、その効果は大きく、「静電気発生が抑制されることで紡績性がアップし、生産効率や品質が高まる」(ダイワボウノイ)と言う。150℃で100時間以上の酸化発熱試験にも合格し、綿やセルロース繊維との複合も可能だ。

 軽量や断熱性(保温)などのPP本来のメリットも持ち、速乾、汗冷え防止などの機能も発現する。黒原着タイプを使ったグレー杢(もく)の裏毛製品(スエット、パーカ、ボトムなど)を作って販売するが、青や赤の原着タイプの展開も進めていく。将来的には原綿売りや糸売りも行うとしている。

 デューロンHpに応用している機能性マスターバッチ製造技術は、これまでは難しかった液状機能剤の熱可塑性樹脂へのコンパウンドを可能にするもの。各種繊維製品やプラスチック製品に活用することができ、「マジカルアシスト」のブランド名で、機能性マスターバッチ樹脂として販売を開始している。

 これらは今日16日まで同社東京オフィス(東京都中央区)で開催中の機能素材展で披露している。展示会は「Re Fiber~ファイバー機能の真価を引き出す~」をテーマとし、紙糸シリーズ、透湿撥水(はっすい)素材の「ベンタイル」、クーリング素材「レイクールR」などを紹介している。

 大阪展は19、20日に大阪市中央区の堺筋本町ビルで開く。