特集 AFF・大阪2018(1)/AFF・大阪2018 10~12日 マイドームおおさかで/中国の底力示す/有力出展者の見どころ紹介
2018年04月05日 (木曜日)
今春もまた、日本最大級の繊維アパレルOEM/ODM展示会、「AFF・大阪」が開催される。会期は10~12日、場所は大阪市中央区のマイドームおおさか。同展は2003年に「チャイナファッションフェア」(CFF)として産声を上げ、春は大阪、秋は東京で開催してきた。14年の東京展からは出展者を中国限定ではなく、アジア全域に拡大。伴って展示会名もAFF(アジアファッションフェア)とした。
今回展には323社が出展し、365ブースが設置される。初の試みとして設置されるのが「ODMエリア」。高付加価値製品や小ロット対応が可能な厳選された中国企業40社強が出展する。「価格対応型の出展者と混在のブース設置では付加価値品を探しにくい」という来場者側の声と、「エリア分けしてもらったほうが差別化できていい」という出展者側の声を加味した。品質面、サービス面ともにレベルアップが著しい中国の実態を背景に、今後も同エリアへの出展者は増えていきそうだ。今回のAFFは、「安く作りたい」「良いものを作りたい」という日本市場の二極化ニーズをくみ取る展示会への進化の契機となる。
〈輸出特化のレディース製品/安慶市和成製衣〉
2006年設立の輸出に特化したアパレルメーカー。従業員数200人強で、布帛製レディースアウターを主力に展開する。年産規模は約30万着。
ドイツ、フランス、英国、日本、韓国などに輸出している。
年間輸出額は300万ドル。日本向け取引額は近年、100万~120万ドル。日本の中価格帯以上の市場開拓を狙っている。強みは、価格競争力、納期順守、行き届いたサービスだ。
AFFは今回が初出展。布帛製婦人服を前面に打ち出す予定。
〈機能性インナーを訴求/イ坊仟匯紡織服装〉
2004年に設立。従業員数300人超、工場建物面積1万5千平方メートルで、各種縫製設備400台強を導入している。ユニフォームやスポーツ向けのニット製インナーを年500万着生産。うち、日本向け輸出が95%を占め、欧米と内販向けは計5%。
得意な製品は機能性インナー。各種機能性繊維を開発し、それを用いたインナーを開発している。接触冷感、保温、吸湿発熱などの機能性を備えた製品をラインアップしている。
スポーツインナーも強みの一つ。開発のためにさまざまな専用設備を導入し、欧米の大手スポーツ用品ブランドのOEMを手掛けている。
近年は新製品の開発を加速し、日本向けを拡大している。日本向けは全体の95%を占める。17年は1300万ドルを超えた。
AFFの常連出展企業で、これまで20回出展。今回展でもユニフォームとスポーツ用品ブランドの顧客開拓を狙う。
〈ニット製衣類やホームウエア/張家港新東旭紡織印染〉
1999年に江蘇省蘇州張家港市で設立した。工場の敷地面積は32・3万平方メートル、総投資額は約1億ドル。織布から染色加工、縫製までを一気通貫で展開。WRAP、ETI、BSCIなどさまざまな社会的監査の認証を受けている。
強みは、顧客第一で、専門性の高い製品とサービスを提供し、顧客満足度を追求している点だ。
バラエティー豊かな製品もアドバンテージ。業界のトレンドを取り入れながら、常に製品開発に取り組んでいる。近年は特殊加工による高級生地の開発にも注力している。
AFFにはこれまで東京展などに出展しており、今回で4回目。ニット製衣類やホームウエアを紹介する予定。
〈縫製、染色一貫のニットウエア/南通雷成運動休閑服飾〉
1996年に浙江省如皋経済開発区工業園で設立。工場の敷地面積は2万8千平方メートル、建物面積は1万2千平方メートル。従業員数450人、各種縫製機械300台で、ユニフォーム向け機能性Tシャツとポロシャツを専門に手掛ける。年産規模は600万着超。年間輸出額は2千万ドル。主な輸出先は日本。
傘下に南通雷成染整を持つ。各種ニット染色加工設備約50台を備え、年間4千㌧のニット製生地の染色加工を行っている。2016年売上高は1800万ドル、うち全てが対日。17年は2千万ドル、うち対日は1800万ドル。現在はユニフォームが中心だが、今後幅広い製品を手掛けていく構想がある。
強みは、機能性素材の研究開発能力を持つこと。機能性素材はこれまで、断熱素材、抗菌消臭、抗静電気素材、ストレッチ、保湿などを開発している。
〈ベビー服の生産・貿易/南通雄風国際経貿〉
2001年に南通市で設立した生産、貿易一体型企業。自社工場を3工場有するほか、長期的な協力関係の工場が9工場ある。ニット製ベビー・キッズウエア生産に従事している。
日本向けの生産に長年取り組んでいる。近年は内販の開拓にも動き出し、日本向けが全体の80%、内販が20%。年商は約2千万ドル。
強みは、厳格な品質管理や自社でのホルマリン検査、縫製能力の高さなど。14年にカンボジアに自社工場を設け、大ロット・低価格品のベビー・キッズと大人向けウエアの生産に乗り出した。顧客のニーズに合わせて、中国とカンボジア生産を使い分ける。
中国工場はコスト増や人材確保難の中、自動化設備の導入に積極的。今年は自動検反機の導入を検討している。
AFFは今回が4回目。ニット製ベビー・キッズウエアを出展し、新規顧客の開拓を図る。
〈カシミヤ・ウール製マフラー/内蒙古宸運工貿〉
カシミヤとウール製マフラーの輸出に注力している。内モンゴル自治区に協力7工場を保有する。社員の多くが日本向けに長年従事。全体の50%を日本向けが占める。ニットと布帛製衣類を小ロット対応、短納期で提供している。
日本以外は、欧州と韓国向けを展開。日本は品質要求が高く難しい市場だが、既存顧客を維持しながら新規顧客を開拓し続けている。
新製品としてビキューナ使いを打ち出している。カシミヤに負けない手触りながら価格は割安で毛玉になりにくい特徴を持つ。
AFFにはこれまで3回出展。今回はニット、布帛製マフラー、ショール、帽子などを紹介する予定。
〈カシミヤ小物が充実/西安聖雪絨羊絨制品〉
カシミヤ使いのセーター、マフラー、手袋などのニット製品の輸出を手掛ける。海外製と国産の紡績機3台のほか、横編み機などの最新設備を導入。1999年の設立以来、カシミヤ糸の高品質化と生産加工技術の向上に力を入れてきた。
年間150トンのカシミヤ糸、30万枚のセーター、手袋、マフラーを生産。欧米、日本、韓国に輸出し、年商は約5千万元で、うち日本向けは500万元。
今後は日本向けを積極開拓する。サービスと品質を高めること以外に、日本市場に合わせた新製品の開発に取り組む。カシミヤ製品の値頃感も訴求する。
小ロット・短納期、高品質、個性化などのニーズに応えることで、欧米各国の顧客から認められており、カシミヤ製品の国際市場で一定の地位を築いていると自負する。
AFFにはこれまで大阪展に6回、東京展に5回出展。今回展では保温性に優れ、色合いが美しく、ストレッチ性が高く、通気性に優れた特徴を前面に打ち出す。
〈今回も新規開拓めざす/豪利佳〈大連〉国際貿易〉
2015年設立。協力工場10社で、ダウンウエアや各種布帛製衣類を生産している。
近年は、原材料と人件費のコスト増に対応するため、サプライヤーの見直しを行い、生地と副資材の開発を続けている。その成果が実り、日本向けを伸ばす。17年の日本向け取引高は400万ドル。綿使いの衣類とダウンウエアがけん引した。
AFFには東京展含め過去6回出展。これまでの出展を通じ、3年間で2万着の注文を得た。今回展では綿使い衣類とダウンウエアを出展。300着からの小ロットに対応できることを売りに、新規開拓を目指す。
〈日本向けにニット小物/上海明思国際貿易〉
1999年の設立以来、帽子、マフラーなど小物を日本と欧米向けをメインに展開する。多くの協力工場を有し、競争力のある価格、短納期などを実現している。
近年の年間売上高は400万ドル前後、うち日本向けは35%を占める。日本向けの長年の経験を生かし、商品開発に注力中。機能性素材の採用に積極的で、吸湿発熱、抗菌防臭などの素材を使った製品を投入している。
AFFは今回で2回目。帽子、マフラー、手袋の新製品をアピールし、新規顧客開拓に取り組む。
〈スポーツウエアなどを紹介/高密市偉華美製衣〉
2004年11月に山東省イ坊市高密市で設立した。イタリア製の編み機、日本製のミシン、台湾製の染色加工機を導入し、編み立て、縫製、染色加工を一気通貫で手掛けている。
15年の日本向け取扱量は600万着、取扱高は千万ドルだったが、16年は650万着、取扱高は1100万ドルに拡大した。
強みは、工場が青島空港と青島港に近く、貿易が便利な点。生産などの専門技術スタッフが42人おり、技術力が高い点もアドバンテージになる。
今回展では、成形編みのニット製スポーツウエア、ジャカード製品、無縫製ニットインナーなどを紹介する。初出展だった前回展では多くの新規顧客を開拓できた。今回展でも強みを訴求し、新規顧客開拓を進める。