企画提案型へ「AFF・大阪」レビュー(後)/強まる二極化傾向
2018年04月18日 (水曜日)
主催者発表によると今回の「AFF・大阪」の来場者数は4960人で、昨年4月展より3・8%増えた。東京一極集中など“地盤沈下”がささやかれる大阪での開催、また衣料品店頭消費の低迷が長期化する中で来場者が増えた背景は何なのか。
来場者増の要因の一つは、中国回帰にあるとみられる。2017年の中国からのアパレル製品輸入は金額、数量ともに4年ぶりに増加に転じた。今回のAFF・大阪でも、「ASEANで少し失敗したので、もう一度中国の縫製工場を探しに来た」(商社)、「価格は多少高くても納期と品質は中国が圧倒的に優位」(商社)といった声が来場者から上がっていた。
もう一つの理由は、新設されたODMエリアにありそうだ。中には「ODMエリアを見に来た」と同エリアを来場目的の最優先に据える来場者もおり、注目度の高さを示した。
同展を訪れる来場者の多くはこれまで、「安さ」を求める傾向が強かった。インナー向けなどの生地販売と同製品の販売を主事業とする澤村(大阪市中央区)はこれまでの同展での商談で何度か取引先を獲得した。しかしそのいずれもがスポットで終わった。同社はその理由を、「商売の入口として先方もかなり価格面で無理をしていたのだろう」と推測する。採算性が悪かったため、取引が長続きしなかったというわけだ。
デフレ経済下にあって日本から中国への価格要求は厳しさを増している。出展者の多くが現在の日本市場の特徴に、「価格を下げてほしいという要求が本当に強い」ことを挙げたように、衣料品不況も関係して「安さ」を求める日本企業がいまだに多いことは間違いない。
一方、ODMエリアへの注目度の高さなど、中国企業に対して高付加価値化を求める声が高まっていることも事実。AFFで見られたこの相反する傾向は、昨今盛んに指摘される「日本市場の二極化傾向」とも完全に合致する。
5月21、22の両日には、東京都千代田区の東京国際フォーラムで、高級アパレルと高級素材を取り扱う中国企業を厳選した「AFFセレクション 中国高級アパレル&素材展示商談会」が初開催される。二極化の「上」という明快なコンセプトを掲げる同展への期待度は、出展者、来場者の双方で高いものになりそうだ。
(おわり)




