帝人フロンティアとスポーツセンシング/ウエアラブルで合弁設立/スポーツから本格参入へ
2018年04月25日 (水曜日)
帝人フロンティアとスポーツセンシング(福岡市)は革新的なウエアラブル製品を開発・販売する合弁会社「帝人フロンティアセンシング株式会社」を27日に設立する。スポーツ向けのウエアラブル製品の開発を進めるとともに、ワーキングやヘルスケア領域に広げ、2025年に売上高20億円を目指す。
両社は従来、業務委託という形で連携を取りながらセンシングの開発に取り組んできた。スポーツセンシングが保有するセンシング技術と帝人フロンティアが持つ繊維製品の開発力を融合することで、より高度なウエアラブル製品の開発が可能になると判断。合弁会社を立ち上げることになった。
新会社の資本金は5千万円で、出資比率は帝人フロンティアが90%、スポーツセンシングが10%。代表取締役社長にはスポーツセンシングの澤田泰輔社長が就任し、従業員数は8人でスタートする。本社の所在地は福岡市南区向野2の2の1。
帝人フロンティアが開発に取り組むモーションセンシングウエアや圧電繊維ウエア、心拍・心電ウエアなどについて実用化・製品化を推進する。同時にスポーツセンシングが培ってきたセンシング技術の活用によってデータを解析・分析し、フィードバック指導(情報提供サービス)なども行う。
20年に向けてスポーツ向けのウエア提案から始めるとし、高機能素材と高機能センシング技術を組み合わせたモーションセンシングスーツを18年末に販売する。その後、オフィスや工場の働き方改善に貢献する製品、リハビリや介護関連などヘルスケアなどにも領域を広げていく。
帝人グループのインフォコムなどを含めてIoTウエアラブルプラットフォームを構築し、各種パートナーとの協業や提携、スタートアップ企業への資本拠出など事業を拡大。25年に帝人フロンティアグループのウエアラブル事業を売上高100億円(新会社の売上高は20億円)に育てる
帝人フロンティアの日光信二社長は「まだ世の中には出ていない技術を提供することができると確信している」と述べ、スポーツセンシングの澤田社長も「帝人フロンティアとの合弁会社設立で可能性が大きく広がる」と期待する。