村田機械 新型自動ワインダー発売/21世紀品質「プロセスコーナー」

2001年09月28日 (金曜日)

 村田機械繊維機械事業部はこのほど、新型自動ワインダー「No.21C Process Coner(プロセスコーナー)」を開発。10月8日からインテックス大阪で開催の第7回大阪国際繊維機械ショーに出品するとともに、受注活動を開始する。

 No.21Cプロセスコーナーは「糸を巻く」「糸をつなぐ」そしてそのための「糸を測る」という自動ワインダーの基本的なプロセスを徹底検証し、品質はもちろん使う人にやさしい操作性と、SCM(サプライチェーンマネジメント)やQR(クイックレスポンス)といった今日の流通課題にも敏速に対応するフレキシビリティーを「プロセスワインダー」というコンセプトの基で具体化した新型ワインダー。

 糸を巻き取る溝ドラムは従来、糸種や糸番手変化に伴い交換が必要だった。しかし、新ワインダーは1つのドラムで各種糸種や糸番手に対応する新開発の「PAC21」ワインディングシステムを装備。多様な巻きに対応するばかりでなく、リボン巻きを回避するジャンピングメカニズムにより後工程でのスムーズな高速解舒を可能にする「リボンレスパッケージ」を実現した画期的なワインダーとなっている。

 また、(1)テンションマネジャー(2)テンションマネジャー&エア式毛羽伏せシステム「ベルラ―A」(3)テンションマネジャー&ディスク式毛羽伏せシステム「ベルラ―D」の3種類のカートリッジを、容易に脱着交換できる新しいカセット式部品交換システムを開発。とくに、毛羽伏せシステム「ベルラ」により、織機効率の向上(糸切れ停止の減少)やサイジング糊剤の削減に貢献する「毛羽の少ないパッケージ」を実現。

 村田機械では、「PAC21」ワインディングシステムと「カセット式部品交換システム」を多様なプロセスに迅速に対応するシステムとして「プロセスカートリッジ」と呼称。このプロセスカートリッジに加え、近年より一層の高品質化が進むコンパクト・リング糸など前工程にも配慮し、さらに高精度化の著しいヤーンクリアラーの性能を十分に生かすため、給糸ボビンから巻取りドラムまで一直線の糸道を構築し、糸に優しく可視性に優れたワインディングユニットが実現できたとする。

 また同社では、新モデル「No.21Cプロセスワインダー」の銘々について、ワインダーのプロセスのみならず前工程から後工程まで、リング精紡のすべてのプロセスまでを考慮した生産に対するフレキシビリティーと品質向上が「プロセスワインダー」のコンセプト。さらに「No.21C」に関しては、生産品質の向上による無駄な屑糸の減少や省エネルギー、低騒音の駆動制御など使う人と地球に優しい「21世紀品質ワインダー」を目指した開発テーマを託したとしている。