トンボ/MC校、今年上回る獲得ペース/既存の制服採用校は死守

2018年05月16日 (水曜日)

 トンボ(岡山市)は、来入学商戦のモデルチェンジ(MC)校について今年を上回るペースで新規採用校を獲得しつつある。5月の段階で採用校数が前年同月より若干多く、今入学商戦の採用校数を既に突破。谷本勝治執行役員営業統括本部販売本部長は、「既存の制服採用校を死守し、学校支援を強めながらMC校の新規獲得を増やす」と話す。

 今入学商戦は、全般的なMC校数を見ても、同社の試算で前年より4割近く少なかった。同社のMC校獲得そのものは前年より若干少ない程度。新入生の大幅な減少とともにMC校が全般的に少なく「厳しい年だったが、割合で見ると善戦できた」(谷本執行役員)。納品やセミナーなど学校支援の姿勢が「評価を受け、例年に比べて喪失校も少ない」結果につながった。

 ブランド「イーストボーイ」についても今入学商戦から3校が初めて採用。3校とも入学志願者が前年より増加し、「生徒募集で効果があり、学校のブランディングに貢献できた」。来年には採用校が10校まで増える見通しで、生徒募集やブランディングを強化する学校にとっての「起爆剤」としての効果を訴求する。

 一方で店頭販売向けは昨年、ニット製の「ビクトリー」や、アクリレート系繊維を使い機能を高めた「ミッドフィルダー」、抗菌防臭機能を進化させた「マックスプラス」など詰め襟服の新商品の投入を増やし、売り上げを伸ばそうとした。しかし、新入生の減少の影響が大きく「現状維持にとどまった」。

 ただ、販売店によってはビクトリーなど「試着してもらえれば購入してもらいやすい」との声が聞かれ、来入学商戦での販売拡大に期待する。

 来入学商戦は全般のMC校自体も増える見通しで、堅調に採用校の獲得が進む。東京支社(東京都台東区)を7月に本社化し、「学校への訪問頻度を上げる」などによって関東での営業力をより強化する。

 イーストボーイに加え、昨年発表した自社ブランド「バーシティメイト」によるファッションデザイナーの松倉久美氏とのコラボ企画などで、MC校の獲得に向けた動きを一段と加速する。