ボーケン品質評価機構/大阪本部ビルへ移転完了/総合試験センターを目指す

2018年05月17日 (木曜日)

 ボーケン品質評価機構はこのほど、新築した大阪本部ビル(大阪市港区)への移転作業を完了した。大阪市内に分散していた本部機能と事業所機能を集約し、繊維に加えて生活産業資材や化学分析、機能性などの試験設備を大幅に拡大した。堀場勇人理事長は「繊維以外の分野の試験も拡大し、総合試験センターを目指す」と意欲を見せる。

 今回の大阪本部移転は、旧大阪本部ビルが老朽化したことが理由。同時に、市内に分散していた本部と事業所を集約することで効率的な業務体制を実現することも狙いとなる。大阪本部ビルはA棟とB棟の2棟で構成。A棟に繊維関連の試験設備、B棟に機能性や化学分析、生活産業資材の試験設備を配置した。

 機能性試験では温湿度可変試験室を設置し、製品での検査や大量の部材の同時検査が可能になった。抗菌・抗ウイルス試験室も拡大し、クリーンルームも新設することで化粧品などの安全性確保のための試験が可能になる。化学分析ではJIS準拠の大型チャンバー室を新設し、家具など大型製品のホルムアルデヒトやVOC(揮発性有機化合物)を測定できる。両方を測定できるのはボーケンだけとなる。

 生活産業資材では温度23℃×湿度50%の恒温湿室を新設し、ISOなど海外規格やウレタン、紙製品の試験規格に対応した。大型家具試験機も新規導入し、実使用に近い形での再現試験ニーズに対応する。

 今回の大阪本部移転に関して堀場理事長は「繊維試験の受注を維持しながら、家具や化粧品などの試験を拡大させる」と言う。加えてITや技術開発の部署を一本化し未来研究所も設立。将来のボーケンに向けた研究開発に取り組む。

 試験作業を中心に女性が圧倒的に多く在籍することから、「女性管理職の育成・抜擢などで、女性が一段と活躍できる職場作りを進める」と話す。