特集 第22回中国江蘇省輸出商品展示会/5月22~24日 マイドームおおさか 江蘇省の力強さ、見せる

2018年05月18日 (金曜日)

 「中国江蘇省輸出商品展示会」(日中経済貿易センター主催)が22~24日、大阪市中央区のマイドームおおさかで開かれる。1988年に大阪で開催されて以降、22回目となる。今回もアパレル、ホーム・ファブリック、靴・帽子、日用雑貨、ギフトなど幅広い業種が出展する。展示面積は約4500平方メートル、小間数は約240ブース、出展企業は約160社。入場無料。

〈中国を代表する経済地域/対日貿易の中核を占める〉

 江蘇省は中国東部沿岸の中心地域と長江の下流に位置し、中国最大の都市である上海に隣接している。

 中国で対外開放が最も早く、総合発展レベルが最も高い省の一つであり、2017年の江蘇省のGDP(国内総生産)は1・3兆ドルを超えて中国第2位、一人当たりのGDPは1・7万ドル以上。輸出入総額は6千億ドルで、15年連続中国第2位。234の国や地域と経済貿易関係を築き、実質外資利用額は251億ドル、対外協議投資額は92・7億ドルと大きい。

 日本は江蘇省が1974年に対外貿易権を国から付与されて以降、初めて貿易関係を築いた国の一つ。40年以上の間、日本と江蘇省双方による貿易規模は600万ドルから、500億ドルまでに発展した。現在、日本は江蘇省にとって第5位の貿易パートナー、第4位の輸入元、第5位の輸出市場。17年の江蘇省対日貿易額は560・9億ドル(中日貿易総額の約5分の1)で、うち対日輸出は273・0億ドル、対日輸入は287・9億ドルだった。

 中国江蘇省輸出商品展示会は1988年に大阪で初めて開かれ、これまで、21回開催されてきた。長年の日中双方の努力の下、本展示会のレベルと影響力は向上し続け、今や中国が日本で行う最も重要な展示会の一つとなった。今回展にも日中双方から期待の声が示されている。

《有力出展企業紹介》

〈ニット・手編み帽子に強み/南京談笑針織品〉

 南京談笑針織品は主に野球帽、ニット・手編みの帽子、マフラーなどの小物を輸出している。対日ではニット・手編みの帽子とマフラー、イヤーマフラーなどがメイン。

 2017年の日本向け取扱高は30万ドル弱。ニットと手編みの工場を持ち、競争力のある価格を提案できることが強み。日本向けを長年手掛けており、日本市場を熟知していることも顧客から評価される点。

 通算7回目の今回展では、商品力と価格競争力を強くアピールする。さらに日本市場を一緒になって開拓するパートナー探しにも努める。

〈各種カーペットを生産/無錫市南飛星家居用品〉

 無錫市南飛星家居用品は2013年設立のタフトカーペットメーカー。敷地面積3万5千平方メートルの自社工場ではタフティングマシンから電子ジャカード織機、プリント設備など海外製を含む200台を導入し、各種カーペットとマットを生産している。製品は日本を中心にドイツ、米国、東南アジア、中東など50カ国・地域に輸出している。

 17年の輸出額は1100万ドルで、うち95%が日本向け。近年、品質管理システムに関する国際規格ISO9001を取得した。

 6回目の出展となる今回は、タフトバスマット、台所、玄関、トイレ用マットなどをアピールする。

〈ニット小物をアピール/無錫溢匯国際貿易〉

 無錫溢匯国際貿易はレッグウエアや手袋、スリッパ、防寒インナーなどの各種ニット製品を主に生産している。二つの自社工場を有し、防寒インナーとスリッパをそれぞれ専門に生産。日本向け輸出が主力で、日本の大手商社や専門店、メーカーなどと長期的な取り組みを続けている。

 6回目となる今回展には、ふわふわした触感の手袋と靴下、ろうけつ染めのソックス、各種スリッパを出展する。

〈デジタルプリントタオル出展/江蘇不懶人紡織品

 江蘇不懶人紡織品は2010年に南通市で設立したホームテキスタイル製品メーカー。輸出がメインで、輸出額の7割が日本向け、3割が欧米向け。17年の売上高は2500万元で、今年は3千万元超を目指す。強みはタオルなどのデジタルプリント製品。ここ数年日本市場の開拓を重視し、日本企業のニーズにマッチした製品開発に力を入れている。

 強みとして位置付けるデジタルプリント製品はニッチ市場で、顧客はまだそれほど多くないが、今後価格など競争力を高めることで市場を切り開いていく。

 日本の展示会にはこれまで3回出展している。今回展ではデジタルプリント、ウール、ジャカードの各種タオルを紹介する。デジタルプリントタオルは、色の堅ろう度が高く、短納期・小ロット生産に対応しており、コンサートでの販売用やギフト向けとして適していることをアピールする。

〈各種ぬいぐるみで拡大/江蘇匯鴻国際集団畜産進出口股●

 江蘇匯鴻国際集団畜産進出口股●は江蘇省最大規模の貿易企業グループ江蘇匯鴻国際集団股●の傘下企業。パソコンのハードからソフト、アパレル、その他繊維品、日用品、画材のほか、畜産・水産品、飲料、茶葉などを取り扱う。

 毎年、輸出額を拡大しており、近年の輸出入額は2億ドル前後。輸出の主な仕向け地は欧米や韓国。日本向けも手掛けるが規模はまだ小さいという。3回目の出展となる今回展には、各種ぬいぐるみを出展し日本向けの拡大を図る。

〈EVA製安全靴アピール/江蘇匯鴻国際集団中鼎控股股●

 江蘇匯鴻国際集団中鼎控股股●も江蘇省最大規模の貿易企業グループ、江蘇匯鴻国際集団股●有限公司の傘下企業で、貿易をメインに不動産、投資など幅広く手掛ける。

 商材は靴、繊維アパレル品、おもちゃ、カバン、文具などの軽工業品が主力に、医薬や船舶、農薬などの新しい領域にも進出している。

 6回目の参加となる今回の展示会では、EVA(エチレン酢酸ビニルコポリマー)やPVC(ポリ塩化ビニール)製の安全靴を前面に打ち出す。

〈食品用フリーザーバッグ/泰州海達塑膠包装〉

 泰州海達塑膠包装は食品用のフリーザーバッグやストレージバッグなどの各種ビニール袋メーカー。

 主に日本、米国、欧州向けの輸出を手掛け、近年の年商は2000万ドル。そのうち日本向けの売上高は約600万ドルを占める。ここ数年、日本でのシェア拡大を目指し、日本の展示会に積極的に出展している。

 3回目の今回展では、食品用フリーザーバッグなどの幅広いラインアップを訴求する。

〈やなぎ編み工芸品訴求/連雲港塔山湖草柳工芸品

 連雲港塔山湖草柳工芸品は2002年にやなぎ編み工芸の産地である連雲港塔山鎮で設立。やなぎなどを使った工芸品や日用品の研究開発、デザイン、生産、加工、販売を一気通貫で手掛けている。

 やなぎのほか、草、竹、藤、木、プラスチック、鉄などを使い、テーブルや洗濯物かご、ペットハウスなどを生産。輸出先は欧米、日本、韓国、シンガポールなど30カ国・地域にわたる。17年の日本向け取扱量は10万個だった。

 初参加の今回展では、綿縄使いの収納ボックスや、やなぎ編み工芸品をアピールする。

〈日本向け専門のバッグメーカー/常州市欧満箱包〉

 常州市欧満箱包は2005年に常州市で設立したバッグメーカー。8社の協力工場を活用し、日本向けに特化し生産している。長年日本向け生産に従事した社員が多く、高品質な製品を提供している。

 17年取引高は160万ドルだった。3回目の出展となる今回展では、手提げカバンや旅行バッグ、保冷バッグ、パソコンケースなどをアピールする。

(●はにんべんに分)