江蘇省大阪展 2日目/出展者 適地生産でコスト対策/初日は825人が来場

2018年05月24日 (木曜日)

 マイドームおおさか(大阪市中央区)で開催中の「中国江蘇省輸出商品展示会」(日中経済貿易センター主催)が2日目を終えた。会期は24日まで。主催者発表では初日825人が来場。開場当初は鈍かった客足だが「午後から来場が増え、初日としては上々」と、主催者は手応えを話す。初日から一転、雨に見舞われた2日目も、開場早々から熱心な商談風景が見られた。

 人件費上昇や原料・副資材の全面的なコスト上昇で利幅縮小の苦境が出展者からは一様に聞かれるが、対策にも余念がない。縫製の東南アジア進出で中国との使い分け提案を行う出展者が目立つほか、工賃の安い内陸部に新たな協力工場を増やす例も多く聞かれた。

 来場者からは、「既存取引先のミャンマー縫製進出を聞いて、会場に来た。自前で進出先を増やすと品質管理リスクも大きい。取引先の進出は助かる」(ユニフォームメーカー)、「日本の一流企業と取引のある工場が多く品質面の安定性は魅力」(家庭用品バイヤー)、「小ロットの商品は、長い取引実績からの相互信頼に基づく対応力が捨てがたい」(量販店バイヤー)との声も多く、商談の質の高さがうかがわれる。

 日本向けユニフォームやカジュアルパンツ縫製を約20年手掛ける江蘇海企国際股●は5月、ミャンマーに第2縫製工場を開設。現状6割の同国縫製をさらに強化した。小ロットや受注後約3カ月の納期対応が可能な中国との使い分けを提案する。

 他方、日本向けで10年以上の経験を持つユニフォーム縫製の南京韓浦進出口は、中国生産による品質安定性やクレーム発生率の低さをアピール。自社、協力工場ともに、比較的低賃金の省北部にある立地も生かす。

 商品の高付加価値化・生産効率化ももう一つのポイント。ニットデニムメーカーの常州市三苗紡織は糸染め、編み立て、洗いまで自社一貫設備が今年稼働。高難度の編み組織も含めた素材バリエーション充実を訴求する。布帛同様の風合いとストレッチやタッチを兼ね備え収縮性など品質安定性も遜色ない編み地に加え、Tシャツやパンツなどの製品でも訴求を進めた。

(●はにんべんに分)