クラレトレーディング/ダニ取りシート販売好調/高い捕獲性武器に

2018年08月09日 (木曜日)

 クラレトレーディングのダニ取りシート「ダニトリーゼ」が売れている。特許技術を生かした高い捕獲性を武器に浸透している。

 ダニトリーゼは、2016年に発売。17年の販売数量は前年比4倍に拡大した。品切れ状態になったため、18年は仕込みを増量し、前年比25%増と拡大傾向が続いている。16年、17年はテレビ通販のジュピターショップチャンネルで販売、今年はショップチャンネルに加えて、通販の千趣会でも販売する。ショップチャンネルの累計販売は128万枚を超えた。リピーターも多いという。

 ダニトリーゼは13×19センチで、布団やカーペットの下などに入れて使用する。ダニを捕える粘着シートをポリプロピレン(PP)のメッシュと不織布で挟み込んだ5層構造。この5層構造と、マスターバッチペレット「スロープ」の二つの特許技術を用いている。

 スロープは、ポリオレフィンなど熱可塑性樹脂の中にさまざまな機能剤を最大30%の高比率で含有できる技術を応用している。

 ダニトリーゼは、PPメッシュに食品添加物でダニを誘引する天然香料を練り込んでいるが、天然香料オイルをスチレン系熱可塑性エラストマー「セプトン」で包み込むことで、PPとの親和性をアップした。ダニトリーゼ1枚で、一般的なダニ取りシートの市販品と比べて約200倍の40万匹のダニを捕獲できる。

 海外販売にも乗り出し、18年中にも東南アジアなどで販売を始める。富裕層が増えており、「ダニが好む高温多湿の環境とともに需要はある」(古橋則昭機能材事業部副事業部長兼リビング部長)と見込む。スロープを活用し、蚊などの虫よけ機能を持つ生活雑貨なども展開していく。