クラボウ/「エアーフレイク」が好調/丸亀工場で生産設備増強

2018年08月20日 (月曜日)

 クラボウの生体模倣材「エアーフレイク」の売れ行きが好調だ。中わた向けを中心に国内外で販売が順調に伸びている。これを受け、年内にも生産設備を1ライン増設する。生産拠点は丸亀工場(香川県丸亀市)で、増設によって生産量は倍以上になる見込み。

 エアーフレイクは、アイダーダウンの羽毛を模倣した素材で、2007年に発表した。その特殊な形状を再現するためにクラボウは独自の製造装置も開発した。原料はポリエステルで、軽量性、かさ高性、保温性があることに加え、動物臭が無い、家庭洗濯が容易といった優位性も持つ。

 16年に商品コンセプトの見直しを行った。「布団に入れる羽毛代替素材としては思うように売り上げを伸ばせなかった」(北畠篤代表取締役常務執行役員繊維事業部長)ためだ。洗濯機で洗えるメリットをアピールした独自の布団ブランド「ランドリーム」を立ち上げインターネットでの販売を始めたほか、スポーツウエアやインナーなどの衣料用途でも、新たな売り先の開拓に取り組んだ。

 近年、輸出にも力を入れている。欧米では動物保護の観点から羽毛に代わる中材の需要が増えており、こうした事業環境の変化も追い風となっているようだ。

 北畠常務執行役員は「生産現場の技術革新から生まれた商材が、当初は伸び悩んだが、コンセプトを変えることで新たな市場を生み出した一例」とし「今後も市場のニーズにあった、新たな需要を創出する商品開発に力を入れていく」と話す。