技術の眼
2018年09月11日 (火曜日)
「技術の眼~NEW WAVE GENERATING TECHNOLOGY~」では将来的にニューウェーブを巻き起こすような重要な技術になりうるかもしれないものにスポットを当て、紹介する。
〈YKKスナップファスナー/環境配慮型フィニッシュを〉
欧州のファッション業界では「サステイナビリティー(持続可能性)」が重要なキーワードになっている。モノ作りのサプライチェーンでも安全性や透明性、倫理性などへの対応で、新しい時代を迎えている。こうした時代背景を踏まえ、YKKスナップファスナーは環境に配慮した表面処理に取り組んでいる。
欧州のニッケル規制が強化されたのは2011年8月。金属アレルギー対策として「EN1811:2011」が発行された。同社は13年から全製品の仕上げ(フィニッシュ)を新基準値に適合させるため、「ニッケルフリー」にしている。
そのほか、一部のフィニッシュでノーシアン化を順次進める予定。化学工場やメッキ工場では、取り扱うシアン化物の流出や排水対策に注力しているが、シアン化物をできるだけ使用しない技術の開発を進める。重金属の六価クロムの使用停止も視野に入れ、サステイナブルな生産環境を目指す。
〈帝人フロンティア/撥水+伸長機能の新素材〉
帝人フロンティアは、水を滑らせる独自の構造を持つ撥水(はっすい)生地「ミノテック」にストレッチ性を持たせた新素材「ミノテックST」を開発した。
ミノテックSTは、生地の表面張力を水滴よりも小さい凸構造とすることで水滴を転がり落とす。これまで撥水機能を持った生地は、糸を高密度に配列する必要があるためストレッチ性を持たせるのが難しいとされてきたが、生地の設計で工夫することで伸長率10%のストレッチ性を持たせた。生地が伸びた状態でも凹凸構造が保たれるため、撥水性は維持できる。
今回、ミノテックSTを開発した背景には、近年、天候の急変で突然の大雨が増えていることがある。こうした降雨に対応するためファッションアウター向けで撥水性に優れる生地の採用が広まっており、ボトムやスリムシルエットのアウターにも使えるストレッチ性も併せ持つ撥水生地が求められていた。
〈DCMホールディングス/半袖レインスーツ発売〉
ホームセンターを展開するDCMホールディングスは8月3日から、高機能レインスーツ「DCMブランド半袖になるレインスーツ」を全国の系列店舗などで販売している。消費者からの「半袖タイプが欲しかった」と言う要望をかなえたオリジナルレインスーツで、販売価格は上下セットで3980円。
レインスーツには撥水(はっすい)・防水性や透湿性に優れた素材を使った。さらに上下の裏地をメッシュタイプにすることにより通気性を高め、蒸れを抑える通気孔を背中と膝裏に施した。
袖部分が簡単に取り外しでき、作業内容に応じて半袖にも長袖にもなる。ポケットには止水ファスナーを採用、視認性を高める反射材や裾、ウエストの調整機能で安全性も考慮する。
サイズはM~3Lの4サイズ展開で、カラーはブラックのみ。全国のDCMカーマやダイキなどで販売中。
〈千趣会/妊婦のための抱き枕発売〉
千趣会はこのほど、通販事業ベルメゾンの育児系オリジナルブランド「マミィラク」から、「授乳クッションにもなる妊婦さんのための抱き枕」を発売した。抱き枕メーカーのサンデシカとコラボレーションしたもので、妊娠経験者の意見を反映し、ユニークな勾玉(まがたま)型とした。
お腹が大きな妊婦が、全身の力を抜いてリラックスでき、最も楽な姿勢といわれる“シムスの体位”が取りやすい抱き枕。今や妊婦の約半数が購入する抱き枕を開発するに当たり、妊娠経験者のモニター会を開き、さまざまな抱き枕を集めて、大きさや抱き心地、素材感、使い勝手などをチェックしてもらった。
①抱き付く上半身部分はボリュームを出し、少し高さを付けた②足の部分は楽に挟めるようキルトをかけ高さを抑えた広幅③クッション性の良い中わたと柔らかな天竺ニットの側地④授乳クッションとして乳児を安定して乗せられる⑤手洗い可能――といった特徴を持たせた。
〈東和コーポレーション/抗菌抑臭の作業用手袋〉
作業用手袋製造販売の東和コーポレーション(福岡県久留米市)はこのほど、抗菌抑臭加工を施した作業用手袋「エアレックスドライ」を発売した。
同製品は作業用手袋としての高いグリップ性を保持しつつ、ユーザー目線で使用感にこだわった。サイズは7S、8M、9Lの3サイズ。販売価格はいずれも598円。
作業用手袋を使う人からの「汗で蒸れる」「通気性がない」といった不満に対応し、素材開発や加工技術の改良で開発した。蒸れを軽減するために吸湿・速乾性に優れた特殊繊維を採用したところ、乾燥スピードが従来の手袋の約2倍になった(同社従来品との比較)。
臭いに関しては、臭いの原因となる菌の増殖抑制として、抗菌活性成分のみを加工することで抑制率99.9%を達成、洗濯耐久性にも優れる。伸縮性にも優れ、手にピッタリなじむ。ニトリルゴムをコーティングしているため、耐摩耗性に優れる。
〈「ゴアテックス」/防水以外の機能強化〉
高い防水機能を持つ「ゴアテックス」を製造する、米WLゴア&アソシエイツ(ゴア)は、透湿防水以外の素材開発を進める。今秋、軽量で柔軟な製品を集めた新ブランドを立ち上げ、ライフスタイルウエアや靴の素材として拡販に臨む
新ブランド名は「ゴアテックス インフィニアム プロダクト」で、今秋から一部のメーカーがウエアや靴を販売し、2019年秋には供給先を広げる構想を持つ。
ゴアテックスインフィニアムは「透湿防水性にこだわらない素材」(日本ゴア)が中心になる。商品発表の記者会見にはゴールドウインの「ザ・ノース・フェイス」や、モンベルなどメーカーの担当者が出席し、新素材を使ったジャケットや靴を紹介。「手触りは革に近く、非常に軽い」「保温性が高く、従来のゴアに比べ、靴を細身に作ることができる」と特徴を説明した。




