明石SUC/“防災先進企業”めざす/今期売上高267億円計画

2018年09月12日 (水曜日)

 学生服製造大手の明石スクールユニフォームカンパニー(明石SUC、岡山県倉敷市)は2019年5月期、売上高267億円(前期261億円)を計画する。昨年発表した産学連携で防災教育や防災関連商品の開発に取り組む「明石SUCセーフティープロジェクト(ASP)」をさらに推進。河合秀文社長は「“防災先進企業”を目指す」と話し、防災による学校支援の姿勢を強める。

 前期はスクールスポーツや店頭商品の販売が伸びたことで売上高が前期比2%増の261億円と増収だったものの、経常利益は15%減の11億円で2期連続の減益となった。原材料や物流費などコスト上昇が続く一方、少子化で市場拡大が見込めない中、今後も学生服メーカーにとって「厳しい時代になってくる」(河合社長)と指摘。今期の利益面は経費の見直しなど「引き締める」方針で、横ばいか若干の増益を想定する。

 19年の入学商戦について、制服モデルチェンジ校の新規獲得は例年並みだが、喪失校は18年の入学商戦より少ない見通しで、「O.C.S.D」「キンロックアンダーソン」「ビッグジョン」などオリジナル企画の採用も増えてきた。

 店頭商品も「リカちゃん」をモチーフにした女子学生服ブランド「リカ富士ヨット」を打ち出すなどで新たな販路開拓につなげる。

 ASPについては、防災用ヘルメット「セーフメット」や非常食「セーフボックス」などの販売が、子供の安全を守る意識の高まりから増える傾向で、特に「私学からの関心が高い」と言う。現在、小学校低学年向けの防災教材を開発中で10月に発表を予定する。

 防災セミナーの開催では学校だけでなく、教育委員会やPTA連合会などが協賛してもらえるようになるなど、防災への「意識を持ってもらい、評価が高まってきた」。「学校に対してサポートできることを考える」とともに、「自社でも防災意識を高める」ため、社内マニュアルを作成するなど防災先進企業としての取り組みも強化する。