特集 AFF・東京2018/9月26~28日東京池袋・サンシャインシティ文化会館/出展者数、ブース数が過去最高/ODM館とホームテキスタイル・素材館を新設
2018年09月20日 (木曜日)
日本最大級の繊維・アパレルOEM/ODM展示会「AFF・東京2018」が26~28の3日間、東京都豊島区のサンシャインシティ文化会館BCDホールで開かれる。今回から「ホームテキスタイル・素材館」を新設、こちらの会場は、隣のワールドインポートマートビル4階Aホール。ビルは異なるが、4階は連絡通路でつながっているため両会場間の移動は容易だ。主催はAFFと日中経済貿易センター。今回が前身の「チャイナファッションフェア」(CFF)を含めて通算33回目の開催。
今回展の出展者数は481社、ブース数が562小間で、ともに過去最高。うち新規出展者が約4割を占める。今年4月のAFF・大阪で初めて設けて好評だったODMエリア(ODM館)を東京展でも設ける。その出展者は39社で、厳選された企画提案力のあるODM企業が集結する。4月のAFF・大阪のODMエリア、5月に初開催したODM企業を集めた「AFFセレクション」の流れを受けて、東京展でもODMエリアを設けることとした。
新設されたホームテキスタイル・素材館の出展者は62社で、こちらはAFF・大阪を含め初の試み。
全く同じ会期で「IFF・マジック・ジャパン」が東京都江東区のビッグサイトで開かれるため、相乗効果を狙って1時間に1本の無料シャトルバスを運行する。
同展が前身のCFFからAFFに名称変更した理由は、中国以外の出展者にも門戸を広げたこと。今回展にも、日本2社、カンボジア14社、ミャンマー13社、ベトナム6社、バングラデシュ3社が出展する。ほとんどが中国資本の出先工場だが、純粋な現地企業もある。
出展者の業種別内訳は、アパレル390社、素材37社、雑貨26社、ホーム製品20社、副資材5社、サービス1社――。中国企業による多様な提案が繰り広げられる。
〈日中経済貿易センター/理事 池田 稔 氏/中国の奥深さ、幅広さ示す〉
AFF展の主催を担う日中経済貿易センターの池田稔理事に、33回目となる今回展の見どころを聞いた。
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――出展者数、ブース数が過去最高の規模になります。
ODMエリアを東京展としては初めて設けたことに加え、ホームテキスタイル・素材館を新たに設けたことが出展者増の理由ですが、既存エリアでも旺盛な出展希望がありました。米中貿易摩擦や日本の地震、台風被害といったネガティブな要素もありますが、中国企業の多くが対日ビジネス拡大に依然として意欲を燃やしている証しだと思います。
ちなみに今回展の展示面積は、ビッグサイトで開催していた時代に次いで2番目の大きさです。
出展者数、ブース数という規模の面だけでなく、ODMエリアを設けたことや事前に行う厳しい出展審査によって、質の面でも見どころのある展示会になるはずです。
――一方、チャイナ・プラス・ワンの流れはまだ続いています。
中国企業の間でもチャイナ・プラス・ワンへの危機感は高まっています。主催者としては、この危機感がプラスに作用することを願います。危機感を背景とした真剣なモノ作り、開発、提案が今回展でも見られると思いますし、質・量両面で日本のバイヤーの期待に応えたい。東南アジアは対日という意味ではリードタイムの面で不備がありますし、規模の面でもボスト中国にはなりえません。中国という国の奥深さ、幅広さを今一度確認できる展示会になればと願っています。
――米中貿易摩擦の影響はあるでしょうか。
まだ具体的な影響は聞いていませんし、対日ビジネスについては少なくともマイナスの影響はないのではないでしょうか。
〈人間工学に基づいた枕/禾豊〈青島〉家紡〉
2003年に山東省青島市で創業したリビング用品メーカー。主な製品は、機能性枕、ベッド、座布団。企画・開発から生産、貿易まで一気通貫で展開している。
17年売上高は2千万ドルで、日本向けを中心に韓国、マレーシア、タイ、デンマークなどに輸出した。日本向けは近年、年間取扱高1700万ドル前後を維持している。
強みは冷感スポンジなどを使った機能性商品が充実していること。今回展では、人間工学に基づいて設計した枕や座布団、抱き枕などを訴求する。
〈ガーゼタオル訴求/山東新華錦紡績〉
タオルから寝装品、メリヤス、肌着、ベビー服などを取り扱う繊維会社。日本への輸出は前身から数えて60年以上の実績を持ち、顧客は50社を数える。
近年の年間輸出額は約3900万ドルで、主な輸出先は日本、欧米、豪州。日本は6割のシェアで、タオルやメリヤス、肌着、ベビー服を輸出している。
今回展では、ガーゼタオルや高級プリントタオル、各種バッグなどをアピールする。
〈ユニフォームと礼服/常州涛勝〉
デニム生地をメインにアパレルも生産している。デニム生地は月産100万メートル以上。
自社工場は自動織機78台、イタリア製エアジェット織機86台を導入し、ベーシックからポリエステル・綿混、ダブルニット、スラブなどの各種デニム生地を生産している。ニットと布帛製生地を組み合わせたキッズ、レディース、メンズウエアも展開する。今回展ではニットと布帛製生地を組み合わせたユニフォームやフォーマルウエアなどを出展する。
〈中・越でデニム生産/河北新大東紡織〉
河北省石家庄市とベトナム・クアンガイ省の工場で、ベーシックなデニム生地やストレッチデニムを生産。9割を欧米や東南アジアに輸出しているが、日本向けは少ない。
2019年にベトナム工場を拡充する予定で、これにより全体の年産能力は6千万ヤードになる見通し。
初出展の今回は、ハイストレッチデニムから吸湿速乾などの機能性生地まで幅広く訴求し、中高級アパレルの顧客開拓を目指す。
〈機能性生地 前面に/常州匯金繊維織品〉
紡績から後加工まで一気通貫でファッション向け生地を展開する。製品の主な輸出先は、日本と欧州、韓国。
2017年の輸出額は680万ドルで、うち日本向けが半分を占めた。日本の顧客はSPAから百貨店、ショッピングセンター、通販ブランドまで幅広い。
強みは開発力で、豊富な新商品を顧客に毎シーズン提案している。
9回目の今回は、温度調整、吸湿速乾、冷感、UVカット、防菌防臭、透け防止などの機能性生地を前面に打ち出す。
〈多彩なニット製衣類/湖州正興進出口〉
ニット製衣類と糸の生産に従事。1・5~1ゲージの横編み機を導入する複数の日中合弁セーター工場を活用し、20カ国・地域の顧客に製品を提供している。
2017年輸出額は1723万ドルで、うち日本向けは345万ドルだった。
強みは欧米顧客を満足させる最新のデザイン。テレビ通販やカタログ通販などの顧客も多く、短納期にも対応できる。
3回目の今回展では、ニットと布帛製生地を組み合わせた商品や、ウールに縮絨(しゅくじゅう)を掛けてフェルト化させたボイルドウール使いのニット製衣類などをアピールする。
〈高付加価値のマフラー/フフホト市宝琦羊絨製品〉
内モンゴル自治区フフホト市で、カシミヤとウール使いのマフラーなどの小物を年間約250万枚生産する。国内外の著名ブランドのサプライヤーと取引関係がある。輸出は欧米向けが多い。
近年の年商は300万ドル前後。輸出が売り上げ全体の50%を占める。日本向けはわずかだが、ここ数年取引先の開拓に力を入れる。
4回目の今回展では、織り組織の変化により商品の幅を広げたカシミヤとウール使いのマフラー、ショールを提案。刺しゅうを施した商品も訴求する。
〈機能性布団など/青島中通泰和商貿〉
2軒の独資工場(従業員数計250人)で、寝装品からホームウエア、ニット製品、ペットハウスなどを生産。年産能力はマット80万枚、布団400万枚、枕50万個。
2017年売上高は1200万ドルで、うち日本向けは900万ドルだった。
強みは自社工場で寝間着から寝装品まで幅広く生産できること。自社生産にこだわることで、品質と納期の安定性を確保している。
今回展では、布団とマットレスカバー、枕、マットレス、寝間着をアピール。冷感などの機能性にこだわった差別化商材を紹介する。