合同商事/海外縫製の活用強化/学生服製造受託事業で
2018年09月21日 (金曜日)
東洋紡グループで学生服製造受託などを行う合同商事(大阪市中央区)は、海外縫製拠点の活用を強化する。10月1日付で同社は、サービス・ワーキングユニフォーム販売の東洋紡テクノユニ、スポーツウエア生産管理の東洋紡アパレルシステムズと合併。同時に東洋紡STCのテキスタイル事業の一部(スクールシャツ、寝装品、ハンカチなどの生地・製品)の移管を受け、東洋紡ユニプロダクツへ社名を変更する。
合同商事は、学生服業界へ東洋紡の生地を販売するとともに、山形県と鳥取県にある自社縫製工場や国内の協力工場を活用して学生服の製造を受託している。今後は、東洋紡STCから移管されるテキスタイル事業の海外縫製拠点を活用した提案も行う。
従業員25人の山形県の工場では主にブラウスを、55人の鳥取県の工場では主にシャツを縫製。国内協力工場を活用し、セーターやポロシャツも生産している。学生服関連売上高のうち65%は製品、35%は生地によるもの。今後、製品のウエートをさらに高める方針。既に自社工場はフル稼働しているが、「生産計画の効率化を顧客と話し込む」(橋本英一社長)ことで生産性を高めるとともに、外注生産も増やす。加えて、東洋紡STCが構築した海外生産拠点も積極的に活用する。
〈ジャケット用に丸編み地〉
合同商事はスクール・ジャケット素材として丸編み地を商品化した。ジャケットの下に着る中衣として、丸編み地を使った「新アイテム」(同社)も提案する。
同社がジャケット用に丸編み地を提案するのは初めて。「スクールユニフォームに要求される高い水準の耐久性を備えている」と言う。織物のように見え、くっきりとした綾目が表現されている。ポリエステル100%製とポリエステル90%・ウール10%製を試作し、「Xジャケット」と名付けて提案する。
丸編み地使いの中衣は、国内の協力縫製工場と組み、デザインを含めて提案する。「セーターでも、ベスト、カーディガンでもない、ジャケットの下に着る新しいアイテム」としてODM供給する。
学生服向けに日本エクスラン工業に作ってもらった、ハイバルキーで抗ピル性を備えたアクリル100%糸「エアーハーモニー」使いの生地も提案する。同社のアクリル70%・ウール30%混糸使いよりも軽く、保温性、抗ピル性は高い。
東洋紡STCがシャツ用織物として展開している透け防止性が高い三角断面ポリエステル「ピラミダル」を使ったトリコットも商品化した。自社工場に新たな設備を導入し、開襟シャツやブラウスとして供給する方針。
同社は今年4月、同じ東洋紡グループでギフト用タオル・寝装品などを扱うトーホーを吸収合併した。その機能を生かし、学校のクラブ向けの名入れタオルも提案する。
これらの商品を同社は、大阪と東京で今月開催した学生服・素材に特化した単独展で披露した。