「ランバン」を独占契約/伊藤忠、仏アンブローシア社と

2001年10月16日 (火曜日)

 伊藤忠商事は世界最大の化粧品メーカーであるロレアル社の傘下にあったランバン社を仏投資会社W・M・アンブローシア社が買収したのを機に、9月末、ランバン社と日本での独占輸入販売権・国内ライセンス生産権契約を結んだ。契約期間は02年1月から10年。「ランバン」ブランドの日本での売上高は現在約300億円(小売りベース)。伊藤忠は5年後450億円(同)を見込む。

 今回の契約は、アンブローシア社がランバン社を買収したことを受け、ア社に対し複数の日本商社がアプローチ。最終的に伊藤忠が日本市場での戦略的パートナーに選ばれた。ロレアルがランバン社売却に際して株の転売を18カ月間禁じたため、当面、伊藤忠の出資はないが、将来的には資本参加する方向。

 現在、ランバンの世界市場での年間販売高は小売価格で500億円規模。日本が300億円で、日本以外が200億円。国内サブライセンシーはカネボウ(婦人服・婦人スポーツウエア=卸価格で年商55億円)、創作屋(紳士服=同50億円強)など約20社・20品目。

 当面は既存のサブライセンシーを維持するが、中長期的には未定。伊藤忠はプレステージ性を高めるため婦人服・紳士服・スポーツを3本柱に、サブライセンシー、売り場の再編を含め「長期的視野に立った市場拡大を図る」(加藤誠副社長)方針だ。

 ランバンを買収した仏ア社は、世界123カ国・地域で華字紙を発行する台湾の「ユナイテッド・デイリーニュース」のオーナーと香港華僑の共同投資会社。ランバンを8月25日付で買収した。この台湾企業と伊藤忠は、台湾伊藤忠を通じて長年の取引関係にあり、この太いパイプが契約につながった。ロレアルは本業の化粧品に経営資源を集中するため、ランバンを売却した。