菅公学生服×岡山南高/社会問題を解決する制服?!/中間発表会で3企画披露

2018年10月30日 (火曜日)

 「現在日本が抱えている社会問題に対応・解決する制服はどんな制服か」――「岡山南高校服飾デザイン科産学連携実学体験プロジェクト(MPS)」を推進する菅公学生服(岡山市)と、岡山県立岡山南高校(同)は27日、同校で「SHIN(シン)制服プロジェクト」の中間発表会を開いた。今回、三つの企画を選出。岡山商工会議所青年部会員の社長らに指導、講評してもらった。

 同プロジェクトは今年5年目で、これまで中学校の体操服や制服、自校の夏服を実際に商品化するなどキャリア教育を推進してきた。今年度は社会問題を解決するような商品企画を実践、8チームから3チームの企画を選出し制服を菅公学生服が試作した。

 「資源の枯渇」を解決する制服は、セーラーの襟を外してショールカラーのフォーマルウエアとして着用することが可能で、女性が卒業後も冠婚葬祭などで着用できる。生地量が少なくて済むフレアスカートの採用や、半合成繊維で上質な光沢感のあるアセテートを使うなど環境面に配慮した。

 ビジャブの着用を習慣とするイスラム教徒の女性でも着用しやすいデザインを意識したのが「在日外国人の増加」に対応した制服。“参差錯落(しんしさくらく)”をテーマにジャンパースカートを採用し、「少しでも偏見をなくす」デザイン性を追求した。

 「地方の衰退」を解決する制服では地方で暮らす女子高生を意識して企画。自転車通学でスカートがめくれないようにラップスカート風のキュロットや、ブラウスの袖の長さを変えられることで通年の着用ができ、日焼け防止もできる工夫を取り込んだ。

 これらの制服のプレゼンを聞いた創作屋(岡山県倉敷市)の池田修二郎社長は、「コンセプトやテーマに向けての考え方、アイデアに素晴らしいものがあった」と絶賛。三洋エンジニアリング(岡山市)の塚本晃久社長は「甲乙付けがたく、この後に採点するのが心苦しい」と話した。岡山菅公学生服(岡山市)の深田誠二常務は、「苦労したことは、社会に出て活躍する時に大事な能力になっていく」と生徒たちにエールを送った。