18年4~9月期

2018年11月05日 (月曜日)

〈増収大幅増益に/旭化成〉

 旭化成の連結決算は売上高1兆414億円(前年同期比8・0%増)、営業利益1043億円(12・6%増)、経常利益1102億円(12・3%増)、純利益789億円(11・4%増)の増収大幅増益となり、中間配当を前上半期の14円から17円に増やした。

 当期は原燃料高騰などの影響で売上高総利益率を前上半期の32・5%から32・3%へとわずかに悪化させたものの、増収効果などで営業・経常増益を達成した。

 部門別では全8部門で増収を確保。繊維部門は前上半期の661億円から728億円へと10・1%増えた。

 通期業績を売上高2兆2100億円、営業利益2100億円、経常利益2220億円、純利益1600億円に上方修正。期末配当34円は変わらない。

〈増収増益、繊維も改善/三菱ケミカルHD〉

 三菱ケミカルホールディングスの連結決算(IFRS)は、売上収益1兆9220億円(前年同期比6・5%増)、営業利益1866億円(0・7%増)、純利益1202億円(19・6%増)で増収増益だった(短信既報)。ヘルスケアを除いた各セグメントで売上収益を伸ばした。

 繊維はアクリロニトリル価格の上昇など逆風もあったが、「前年同期と比較すると改善」を見せた。下半期についてはトリアセテート長繊維「ソアロン」を中心に拡販を図る。

 19年3月期は売上収益4兆400億円、営業利益3540億円、純利益2130億円を見込む。売上収益と純利益は過去最高の数字となる。

〈主力3事業全て増収増益/ダイワボウHD〉

 ダイワボウホールディングスの連結決算は売上高3526億円(前年同期比12・7%増)、営業利益83億円(56・6%増)、経常利益82億円(57・3%増)、純利益55億円(17・6%増)となり、いずれも過去最高を更新した。主力3事業であるITインフラ流通、繊維、工作・自動機械のいずれもが増収増益となった。

 繊維事業は売上高375億円(9・8%増)、営業利益18億円(16・7%増)だった。合繊部門は原綿販売が衛材用途で拡大したが、原料価格上昇で収益が圧迫された。不織布はコスメ用途などが好調だった。レーヨン部門は衣料用途で機能わたの販売が拡大した。機能製品部門は合繊帆布などが前期実績を上回った。樹脂加工部門はテント・シートや重布製品の受注が増加した。衣料製品部門はカジュアル製品の収益が向上し、ブランド製品も販売が増加した。

 通期は連結売上高7430億円(前期比11・0%増)、営業利益188億円(31・4%増)、経常利益188億円(31・5%増)、純利益116億円(10・1%増)を見込む。

〈繊維は赤字縮小/日東紡〉

 日東紡の連結決算は売上高415億円(前年同期比3・9%減)、営業利益43億円(29・6%減)、経常利益49億円(24・2%減)、純利益45億円(39・0%減)だった(短信既報)。主力のグラスファイバー事業がスマートフォン市況の低迷などで振るわなかったほか、機能材事業も特殊ガラスクロスを生産するマカオ子会社が台風被害で操業を停止している影響も大きかった。

 繊維事業は売上高25億円(1・9%増)、営業損失1億6100万円(前年同期は2億2700万円の損失)となり、赤字が縮小した。主力の芯地は中国子会社で現地アパレルへの販売が拡大。関税を避けるために日本向けの一部生産を中国から国内に移管し国内工場の稼働率が向上したことも収益性改善につながった。原糸はバンテージ向けなど資材用途が拡大した。

 通期は連結売上高860億円(前期比1・7%増)、営業利益100億円(7・7%減)、経常利益105億円(5・2%減)、純利益83億円(19・0%減)を見込む。