カネマサ莫大小/自社生地ブランド導入/「まるで織物」な丸編み地
2018年11月30日 (金曜日)
和歌山産地の丸編み地メーカー、カネマサ莫大小(和歌山市)はこのほど、ハイゲージの丸編み地を集約した自社生地ブランド「マルデオリ」を立ち上げた。独自開発の36~46ゲージという超ハイゲージをそろえ、国内外に売り込む。
百間谷和紀社長は「とんでもない生地ができてきている」と開発生地に自信を見せる。同社はこれまでにも、特注した独自のハイゲージ丸編み機による度詰めの丸編み地を開発してきた。44ゲージがこれまでの最高密度だったが、このほど46ゲージの開発に成功、自社生地ブランドを立ち上げるに至った。
ブランド名のマルデオリには、「まるで織物」「丸編み地で織物調」という意味を込めた。ブランドロゴも策定し終え、商標登録申請も予定する。
今後は、ドレス用途、シャツ用途などに分類し、ターゲットを明確にした拡販戦略も構想する。
このほど初出展した「プレミアム・テキスタイル・ジャパン19秋冬」展で披露したところ、かなり大きな反響があったと言う。輸出商材としても積極的に打ち出していく考えで、年明けには米国の顧客をラウンド営業して同ブランドを訴求するほか、2月のパリ「プルミエール・ヴィジョン・ファブリック」や7月の「ミラノ・ウニカ」でも披露する。
近年の服地業界は、ウール調や麻調の合繊、編み地のような伸縮性を持つ織物など従来の垣根を飛び越えた生地開発が盛んで、織物調の丸編み地もその一角を占める。46ゲージを筆頭に今後もハイゲージ化を推進し、「織物の世界に進出していく」と言う。