森下メリヤス工場/製品で生地の良さ伝える/JBKSで披露

2018年12月04日 (火曜日)

 和歌山産地の丸編み地メーカー、森下メリヤス工場(和歌山県紀の川市)は、独自開発した生地を最終製品にして見せることで訴求力の向上を図る。製品に精通する人材も東京オフィスで採用した。開発力に“見せ方”を加えて一層の拡販を狙う。

 森下展行社長によると、11、12の両日、東京国際フォーラム(東京都千代田区)で開かれる「ジャパン・ベストニット・セレクション(JBKS)2018」でも製品展示を充実する。「年々、製品で見たいという声が増えている」ことに対応したもので、中でも高級ウール使いの製品は力作と言う。

 JBKSの生地提案では19春夏の現物と同秋冬をともに打ち出す。サステイナビリティー(持続可能性)の切り口も備える和紙糸使い、厚手ながらも軽量なジャケット地・コート地、毛足の長いヘアリー系、レーヨン長繊維使いのドレープ性に優れたエレガントな生地、シルクや獣毛など高級原料使い――などを訴求する。

 森下社長によると19春夏向けの生産で自家編み機は「忙しく稼働している」。一時期低迷していた輸出も「プルミエール・ヴィジョン」への復活出展によって「良い客が戻ってきている」上、今年7月の「ミラノ・ウニカ」への初出展では新規も獲得した。この流れを加速させるためJBKSでの提案にも力を込める。

 今回のJBKSには同産地から他に、糸染めの吉田染工と生地染色加工の貴志川工業が出展する。

〈堀田丸正/デザイン性高い製品など訴求/JBKSに初出展〉

 堀田丸正は、11日から始まる「ジャパン・ベストニット・セレクション(JBKS)2018」に初出展する。ファンシーヤーン事業部とイエリデザイン事業部が合同で、糸と製品を出品。機能素材を使用した「ホールガーメント」製品などを中心に訴求する。

 JBKSに初出展するのは「新規顧客の開拓」が目的。同社は2年前に新しい組織体制となり、糸とODMの相乗効果が出てきた。今回も抗ピルや接触冷感などの機能原糸を使ったホールガーメント製品などを出品。春夏向けにはレーヨンの抗ピル糸、秋冬向けには糸段階で起毛したウールもある。

 イエリデザイン事業部はセレクトショップを中心にしたODMを行い、山形、新潟、泉大津のニッタ―が製品化する。ホールガーメントでもデザイン性の高いことが特徴。レディース向け国産ニットとして短納期対応にも優れる。