年頭所感

2019年01月07日 (月曜日)

〈強み再発見し自信を/日本綿スフ織物工業連合会 会長 平松 誠治 氏〉

 海外との競争に勝ち抜くためには思い切った構造改革が必要。取引問題でも歩引き撤廃、基本契約の締結などがまだ成せておらず、引き続き取り組んでいく必要がある。人材交流や連携も図りながら商品開発、用途開拓も推進したい。現在生き残っている機業は何かしら独自の強みを持っている。それを再発見し、自信を持って突き進むことが必要だ。

〈ウールの価値伝える/日本羊毛産業協会 会長 富田 一弥 氏〉

 当業界の最大の関心事は羊毛価格の上昇にある。昨年、価格指標が史上最高を更新した。この背景には、ウールの世界的な需要の高まりがあることを忘れてはいけない。とりわけ中国では需要が大きく伸びている。日本でも良い商品を適切な価格で購入する動きが広がる。こうした動きを踏まえ、ウールの価値と魅力を国内で強く伝えていくとともに、会員企業の海外市場へのアクセスにも最大限の協力を行う。

〈高まる評価を需要へ/日本カーペット工業組合 理事長 吉川 一三 氏〉

 当組合では「カーペットはすばらしい」を合言葉に、カーペットの魅力(ハウスダスト舞い上がり抑制効果、リラックス効果、学力アップなど)を大学や研究機関と多面的に共同研究している。その成果を世に広めようと取り組んだ結果、評価や関心の高まりを感じる。その評価を、消費者の「カーペットを敷きたい、買いたい」へ昇華させることが大きなテーマになる。

〈全社でベクトル合わせる/東レ 社長 日覺 昭廣 氏〉

 長期経営ビジョン“AP―Growth TORAY 2020”の達成に向け、現中期経営課題の基本戦略と重点施策を推し進め、全社でベクトルを合わせて課題を確実に達成する。昨年発表の「東レグループ サステナビリティ・ビジョン」は今後20年、30年にわたって東レグループが目指すべき方向性を織り込んでおり、次期長期経営ビジョンのベースになる。

〈Next Stage展望/ユニチカ 社長 注連 浩行 氏〉

 本年は天皇陛下の生前退位により、5月1日から元号が改まる。その区切りの年に当社は創立130周年、かつユニチカ発足50周年、現中期経営計画最終年となる節目を迎える。グロース、グローバル、ガバナンスの三つのGを実現するとともに、本年を皆さんと共に新たな気持ちでユニチカグループのNext Stageを展望する年としたい。

〈二つの視点で新中計を/クラボウ 社長 藤田 晴哉 氏〉

 今年4月にスタートする新中期経営計画は、「イノベーションによる収益拡大と企業価値の向上」を基本方針とし、「グループの企業価値の向上を目指し、果敢に挑戦し、新規事業を創り上げ、高収益事業体制を構築する」という決意を込めた。計画の具体的な策定・推進には、「SDGs」と創立130周年を機に発信したメッセージの具現化――の二つが重要になる。

〈変革の意思など大事に/日東紡 社長 辻 裕一 氏〉

 2017年4月に中期経営計画をスタートしてほぼ2年が経過した。中計で予定している550億円の設備投資計画の60%程度を意思決定し、一部は実現のステージに移っている。19年は「“変革の意思”と“スピード感”」を意識して仕事に取り組み、「健全な危機感」を持って商品開発や製造実力の向上を目指す。同時に「コンプライアンス」についても常に意識する。

〈変化に対応する戦略推進/セーレン 会長 川田 達男 氏〉

 時代の大きな変化に対応するため、(1)市場は世界(グローバリーゼーション)(2)情報化(IT戦略)(3)ダイレクト、そして「素材」から「製品・商品」へ――の三つの重点戦略に取り組む。キーワードを「熱意×考え方×能力=成果」とし、数値に表れない資産であり、企業発展の潜在力である「人材力」「開発力」「環境対応力」を高める経営にも力を入れる。

〈仕込みを成果につなげる/YKK 社長 大谷 裕明 氏〉

 2019年度は第5次中期経営計画の3年目となり、前半の仕込みの成果を出すべく全力を挙げて取り組む。ファスニング事業では商品力を通じた新たな価値の提案活動を続ける。最大ボリュームの「スタンダード」ゾーンはベトナムで新たな工場建設を進め、各国・地域で求められる最適なモノ作りを実現していく。新興国内需顧客向けでもインドなどでの展開を強化する。

〈勘と機敏さが大切/伊藤忠商事 社長 鈴木 善久 氏〉

 景気に不透明感が強い時には、変調を見逃さない勘と機敏さが大切となり、その基本が「稼ぐ!削る!防ぐ!」の「か・け・ふ」経営にある。これに加え、次世代化、海外事業(特に中国)を強化する。商人の心意気を持って、創業161年目のこの年を、まずは連結純利益5千億円という基盤を固める年、そして次の10年への扉を開く、歴史に残る年にしたい。