担当者に聞く ユニフォーム最前線(14)/豊島 東京二部部長 中駄 淳 氏/オフィスウエアの自社工場設立

2019年01月17日 (木曜日)

  ――2019年6月期の上半期(18年7~12月)の商況はいかがですか。

 ワークウエア、オフィス、サービスウエアともに増収ですが、原材料や人件費の高騰で利益が取りにくくなっています。

 こうした中で18年4月、ベトナムのレディースアウター工場を買収し、オフィスウエアを生産する自社工場「トヨシマ・ロンアン・ガーメント」を設立しました。自社工場を持つことで、オフィスウエアに求められる高い品質、多品種小ロットのユニフォームを生産できます。市場を取っていく上で重要な拠点と位置付けており、年間15万枚の生産を目指します。

  ――18年春にワークウエアを担当する東京二部三課が「3/2WORKS(スリーツーワークス)」プロジェクトを立ち上げました。

 「ワークのプロ集団が手掛けた骨太でハイスペックなデーリーウエア」というコンセプトとリーズナブルな価格に共感していただき、セレクトショップを中心に多くの受注や引き合いがあります。

 今後はブランド展開や海外にも発信します。

  ――貴社は、会社全体で環境に配慮した取り組みを進めています。ユニフォーム事業にどう生かしますか。

 5年、10年先を見据えた施策が必要だと思っています。18年1月に日本環境設計の第三者割当増資の引き受けと、再生ポリエステル事業に参画する業務提携を発表しました。

 現在、素材と製品の部署が連携したプロジェクトチームを作り、素材開発を進めています。糸や生地リスクを取りながらユニフォームだけではない幅広い分野に売り込んでいきます。回収した衣料品を再利用する経済循環「サーキュラーエコノミー」の早期実現を目指したい。

 また、オーガニックコットンを通して、社会貢献とビジネスを両立するプロジェクト「オーガビッツ」も積極的に活用していきます。

  ――コーポレート・ベンチャー・キャピタル(CVC)を活用してファッションテック企業への投資も進めています。

 東京大学発のベンチャー、Xenomaに出資しました。軽くて着心地が良く、洗濯可能な普通の「服」でありながら、センサーを搭載してユーザーの動きや身体情報を認識できるスマートウエアです。

 ユニフォームでは運送、建設、介護現場などで活用できると考えており、着用試験もスタートしました。将来の柱となるような事業に育てます。