ユニチカ「アクアパック」/コンクリート養生シート開発/構造物の寿命が2.8倍に

2019年01月24日 (木曜日)

 ユニチカはこのほど、コンクリート面に貼り付けることでコンクリートの高品質化、構造物の長寿命化に資するという湿潤養生シート「アクアパック」を開発した。

 アクアパックは保水部の綿のスパンレース不織布「コットエース」と非透水性ポリエステルフィルムとの2層構造のシート。保水部にコンクリート表面の改質効果があるケイ酸塩系水溶液を含浸・乾燥させてあり、水を染み込ませるだけで貼り付けられる。コンクリート表面の緻密度を約2・8倍に高められるため、既存のコンクリート構造物よりも2・8倍長持ちさせられると言う。春ごろに販売を開始する。

 コンクリート構造物は老朽化により本格的な維持管理の時代を迎えており、対応が社会問題になっている。コンクリートの品質確保には初期工程での養生が重要で、水和反応で必要な水分を供給する湛水養生や給水養生が有効とされている。しかし、スペースの確保や水の補給などの管理が負担となるため、実際には型枠を在置する方法、シートで被い乾燥を抑制する方法で行われているのが現状という。

 ユニチカはアクアパックの開発でこの点を解消。シートに水を染み込ませてから貼り付けるだけで、コンクリート表面に水分を供給するとともに湿潤状態を維持し続けられるため、現場でも水中養生同等の高品質化が可能になると言う。シート外面のフィルムが水分を閉じ込めるため、貼り付け後に水を供給する必要もない。再度、転用して施工できるため、使用済みシートの発生も抑制できる。