クラレ三備会/五輪需要に応える/原糸から製品まで一貫強みに
2019年01月29日 (火曜日)
クラレは28日、岡山県倉敷市の倉敷国際ホテルで、「第38回クラレ三備会」を開いた。三備地区の商社、ユニフォームアパレル、織布業、染色業などの関係者、クラレ側と合わせて約100人が集まり、懇親を深めた。
伊藤正明社長は冒頭のあいさつで昨年を振り返り、西日本豪雨など災害が多く「自然リスクの影響を強く感じた一年だった」と話した。一方、全豪オープンで優勝したテニスの大坂なおみ選手や同社に入社したジャンプの高梨沙羅選手などスポーツ業界の若い世代の活躍に触れ、「新しいタイプの人が出てきて、東京五輪でも活躍するのでは」と期待を寄せた。
同社は2026年に100周年を迎える。「独自の技術に新たな要素を取り込み、持続的に成長するスペシャリティ化学企業」を目指し、長期ビジョン「クラレビジョン2026」を掲げている。ビジョン達成に向け前期に中期経営計画「PROUD2020」をスタートさせており、繊維事業は「さらなる利益の成長を目指し、投資を拡大する」と話した。
ポリエステル繊維事業ではベトナム拠点の高度化を推進。愛媛・西条工場では独自ポリマーを活用した高機能、環境配慮型の新商品の開発も強め、「原糸から縫製まで一貫した生産体制の充実によって五輪需要に応えていきたい」と話した。
ゲストとして五輪の日本代表としても知られるカーリング選手の本橋麻里さんが登場。同社は人工皮革「クラリーノ」でカーリングの競技用グローブなど供給している。主将として活躍し、銅メダルを獲得した平昌五輪での思い出などを語った。