カケン/多言語表示サービス開始/17カ国の輸出に対応

2019年02月12日 (火曜日)

 カケンテストセンター(カケン、東京都中央区)は「カケン多言語表示サービス」を本格的に展開する。海外17カ国の法規制に対応したアパレル製品の表示(絵表示、組成表示、原産国表示、デメリット表示、警告表示)を提供する。副資材メーカーと表示連携システムを構築(現在3社)し、試験データに基づいた10カ国語の表示を配信する。

 「インバウンドで日本製品を持ち帰り、その商品を販売したいというバイヤーのオファーが出てきているようだ」(カケン)。インバウンドが契機となって輸出につながるケースが増えてきた。

 日本の衣料品の「取扱い表示(絵表示)」は2016年12月から、新JIS(JIS L0001)が適用されている。衣類などの生産や流通が国際化したことで、絵表示も従来のJIS規格とISO規格との整合性を求められたためだ。

 この絵表示は各国の法律によって異なる。表示言語もカナダは地域によって英語とフランス語の2種類。韓国では金属アクセサリーを使用した製品には、「体質によってはアレルギーが生じることがある」という警告表示が義務付けられている。アパレル商品を輸出するにはこうした海外の表示事情の理解が必要となる。

 カケンのGC(グローバルコミュニケーション)室は、世界の法規制情報を収集しており、現地調査も行う。提携先のビューローベリタスのネットワークを活用した情報も集積。表示指示からネームまで一貫管理できる多言語表示サービスを構築するプロジェクトを17年から進めてきた。

 これは、顧客から絵表示のための試験依頼を受ければ、その結果に基づいて17カ国の絵表示にし、ネームを印刷する副資材メーカーにデータ提供するというもの。現在、副資材メーカー3社が表示連携システムをつないでいる。

 カケンはジネテックス(繊維取扱い表示ラベルに関する国際協会)メンバーとして、絵表示の使用を許諾する権限を有する日本で唯一の検査機関でもある。

〈防蚊性試験の概要協業セミナーで〉

 カケンテストセンターと日本文化用品安全試験所(ブンカケン、東京都墨田区)は7日、「カケン&ブンカケン協業セミナー」を大阪市内で開いた。繊維業界関係者など65人が参加した。

 カケンは「生地の防蚊性の試験方法」と「衣料品のクレーム事例について」の二つのテーマでそれぞれ1時間ずつ講演した。防蚊性試験に関しては、誘引吸血装置法と強制接触法の概要について解説し、従来の試験との違いや精度面でのメリットを紹介した。

 ブンカケンは、雑貨品の付着異物、食品の混入異物、ガラス・陶磁器の破損解析・異物混入をテーマに講演した。