帝人グループ/アラミド繊維など活躍/防災などに貢献する製品に広がり

2019年02月27日 (水曜日)

 帝人グループは、安全・安心や防災に貢献する高機能素材や技術の展開を増やしている。自然災害などの被害を最小限にとどめるための製品・技術に対する重要性の認識が高まりつつある中、アラミド繊維を使った製品が広がりを見せるほか、超軽量天井材や不燃シート製防煙垂れ壁などが浸透してきた。

 帝人のパラ系アラミド繊維「トワロン」「テクノーラ」では、こぶし大(約10センチ)の噴石を想定した飛翔体の衝撃にも耐えられる火山噴石対策用織物を開発している。テクノーラは土木建築用途の緊張材や補強材としての活用も進んできた。年月が経過した橋脚の補強や鉄筋代替ではアラミドロッドが使用されている。

 メタ系アラミド繊維は高難燃・高強度な災害救助・災害活動用の防護衣料で採用が進む。テクノーラやトワロンを最適な割合で組み合わせることで、生地の難燃性・強度・軽量化を高い次元で実現しており、全国の消防職員や消防団の災害活動服に用いられている。

 超軽量天井材「かるてん」はポリエステル製縦型不織布「V―Lap」を基材に使用。グラスファイバー製の不燃シートを応用しているのが、防煙垂れ壁の「かるかべ」。ガラス製の垂れ壁と比べて約10分の1の軽さを実現し、施工実績も着実に増えてきた。

 そのほかでは、IT企業のインフォコム(東京都渋谷区)が緊急時の連絡や災害時の安否確認などを行う「エマージェンシーコール」を展開している。1995年の阪神・淡路大震災を機に開発したシステムで、民間企業や官公庁、学校法人、病院関係など採用事例は約1300件に上る。