「AFFセレクション」開幕/47社が“高級感”訴求/法令順守、ネット販売も

2019年03月07日 (木曜日)

 第2回中国高級アパレル&素材展示商談会「AFFセレクション」が6日、東京国際フォーラム(東京都千代田区)で開幕した。7日まで。AFFが主催し、日中経済貿易センターと国家紡織面料館が協力する。出展しているのは、中国のアパレルや素材関連企業47社。展示会テーマの「高級感」に合わせ、高品質、高機能の商材を出品し、OEM/ODM対応も提案する。

 従来の「AFF」展のスピンオフ展に位置付けられる同展は、日本の商社やメーカーとの取引実績が豊富な企業に加え、新たに日本市場の開拓を目指す企業の参加も見られた。

 江蘇省に婦人ニット製品の自社工場を持つ張家港市時盛針織服飾は、欧州への輸出を主力事業としている。欧州との取引実績は堅調に推移しているが、日本にも魅力的な市場が開けるとみて、出展を決めたという。

 寝装品向け素材を製造する青島佳徳紡進出口は、抗菌防臭などの機能を備えた商材の拡販を狙う。高性能ミシンの導入で生産効率を高め、価格を抑えながら安定した品質の素材を供給できる強みを訴求していた。

 南通明富紡織品は2月の「プルミエール・ヴィジョン」で出品した20春夏向け生地を披露した。綿19%・キュプラ55%・ポリエステル26%で表面変化に富む生地。「糸から開発する。この展示会は初めてだが、日本向けが9割。原宿で個展も開いている」。大手スポーツメーカーの認定も受けており、染色も自社で行う。「環境規制に対応できない企業は今後生き残れない」と認識する。

 ニットや丸編み生地を生産する江陰市金●時装は、ニットにカットデニム、ニットに布帛を組み合わせた製品を提案。ビジューの2次加工も得意とする。「簡単なものなら人件費の安い東南アジアに流れる。だからこそ、難しいもの、個性のあるものを提案する」と話す。日本向けは3割。米国向けは2割。最近は米国向けが減る傾向にあり、日本向けを増やしたいと積極的。

 威海尚泰紡織服装は紳士・婦人のブルゾンやダウンを生産する。AFFには出展しているが、この展示会は初参加。「ミニマムロットはない。1枚のサンプルから対応。日本向けが9割で日本市場には慣れている。顧客の要望を聞き、生地や付属品も探して提案する」と言う。2年ほど前から中国国内でネット販売も開始。「商品によって売れ行きは異なるが、中国では大手以外はネット販売が普通になりつつある」。南通本音国際貿易も自社ブランドを中国でネット販売。日本の顧客の中にもネット販売する企業があるようだ。

 寧波美蘇高国際貿易はニットや丸編みが中心。日本向けが100%で、素材から開発し、製品にする。日本との取引は17年になるが、「最近は価格が厳しい」と、消費増税の影響も懸念する。

(●は金が3つ)

〈中紡広告展覧・孫総経理に聞く/千人の来場を目標に/生地・縫製一貫が過半〉

 「AFFセレクション」の運営者である中紡広告展覧の孫暁明総経理に今回の展示会の意義や目標などを聞いた。

  ――AFFのスピンオフ展として第2回目。反応はどうでしょうか。

 AFFと異なり、高級ゾーンを狙う質の高い出展者47社をそろえました。価格訴求型ではなく、生地の組み合わせ、小ロット・短納期対応、提案力に優れた企業です。前回のバイヤーのニーズを把握した上で、昨年以上に出展基準を厳しくしました。絞り込まれた企業ばかりですから、来場者の反応も良く、昨年は約千人が来場されました。今年も同じくらいの来場を目標にしています。

  ――生地メーカーは約2割くらいですか。

 そうです。とはいえ、生地から製品まで一貫生産している企業は5割以上を占めます。開発生地の提案から始め、仕様書に従って生産するOEM/ODM企業が中心。日本市場に慣れており、品質だけでなく小ロット・短納期にもほぼ対応できます。

  ――日本ではサステイナブル(持続可能な)モノ作りも求められています。

 今回、5社が安心・安全な繊維品の生産を行う中国の「ホワイトリスト」に登録されています。登録は全体で約100社ほどですから、かなり高い確率です。それ以外の企業も法令順守、環境保護や安全面で優秀な企業が出展しています。

  ――来場者はどうですか。

 AFFと異なります。来場者の事前登録を見ても、AFF来場者とは異なる新しい人が多い。大手企業が多いという印象もあります。

  ――米中貿易摩擦の影響は。

 日本向けが8割、9割という企業が中心ですので、直接的な影響は少ないでしょう。