不況下でも対日拡大に自信/AFF・大阪 今日が最終日
2019年04月11日 (木曜日)
9日に大阪市中央区のマイドームおおさかで開幕した日本最大級のアパレルOEM/ODM展示会「AFF・大阪」の出展者からは、厳しさを増す日本の市況やチャイナ・プラスワンの流れとは裏腹に、対日ビジネス拡大に自信を示す声が多く聞かれた。会期は今日11日まで。
トップ・フェイム・〈カンボジア〉ガーメンツとしてブースを構えた杭州羲衆服飾(サンズ・アパレル)によると、初日に同社ブースを訪れた日本のパジャマメーカーの担当者が3日目の再訪を約束して帰ったという。「上司を連れて、きちんと商談したい」とのことで、成約への期待が高まる。
同社は欧州を主要販路にするOEM/ODMメーカーで、デンマークとスペインにデザインオフィスを持つ企画提案型企業。中国に2軒、カンボジアに2軒の自社工場を持ち、高級感のある婦人服を低価格で供給できることが強み。対日ビジネスは昨年初出展したAFF・大阪からスタート。対日比率は売り上げの5%とまだ少ないが、「伸びる可能性を大いに感じる」と拡大に手応えを示す。
ユニフォーム、カジュアル、スポーツ、ダウンウエアをOEM生産する出展7回目の大連トウ加貿易は対日が95%を占める。OEMからODMへのシフトを2~3年前から進め、生地デザイン、サンプル室の設置、パタンナーの採用などで企画提案力を磨いている。東京の著名デザイナーと連携したモノ作りも進めており、「非常に好評」と言う。これらを背景に日本市場の高級化ニーズに応える。
一方で、ボリュームゾーンへの対応にも力を入れる。バングラデシュとミャンマーに設ける提携工場の活用で価格競争力を発揮するほか、2年前に大阪に開設した日本事務所でも情報収集と提案に努める。
日本の低価格要求が厳しさを増す中でも対日売り上げを拡大しており、「顧客ニーズをしっかりつかんで企画力を発揮していけば今後も伸ばせる」と自信を示す。
初出展の浙江正輝紡織は、インビスタの高強力ナイロン「コーデュラ」使いの編み地を提案する場としてAFF・大阪を選んだ。編み機80台を保有する丸編み地メーカーで、対日はまだ5%と少ない。品質と開発力には自信があり、納期と小口対応も強みとする。初出展ながら初日の商談ではサンプル依頼も多く得て「契約に至りそう」と話す。