2019春季総合特集Ⅱ(13)/トップインタビュー ボーケン品質評価機構(ボーケン)/量から質への転換/理事長 堀場 勇人 氏/5事業本部制に改編
2019年04月23日 (火曜日)
ボーケン品質評価機構(ボーケン)は1日付の機構改革で事業所制を廃止し、5事業本部制に改編した。繊維事業、機能性事業、生活産業資材事業、認証・分析事業、海外事業の5本部で、各事業の専門性を高める。堀場勇人理事長は「変革と挑戦」で従業員と会社の成長を目指す。4月には第6次3カ年計画もスタート。対象分野、市場、サービスの拡大に取り組む。
――検査機関にとっての平成は。
衣料品の生産拠点が中国、さらにASEANにシフトしました。その対応が続きました。一方で、財団法人時代は投資ができませんでしたが、2011年に公益法人改革が行われ、一般財団法人として投資が行えるようになり、上海、青島、常州を子会社化できました。
――ベトナムにも進出しました。
ベトナムでも素材が作られるようになり、期待できます。定番品はインドネシアが強い側面もあります。
――試験の中身も変わりました。
試験も一般試験から機能試験に広がりました。抗菌性、抗ウイルス性、消臭や吸水速乾性試験などもクローズアップされてきました。繊維だけでなく、事業分野の拡大も進めてきました。ボーケンは生活用品の試験を20年以上行っています。
この4月から従来の事業所制から5事業本部制に組織を改編しました。繊維事業、機能性事業、生活産業資材事業、認証・分析事業、海外事業本部です。
事業所の壁を取り除き、オールボーケンの方針に基づいて、常に事業全体を見て、迅速な対応、決断を行える体制の構築が目的。専門性をより高め、事業のさらなる効率的な運用を図り、着実な事業発展につなげます。
――認証と分析が一つになりました。
化学分析には安心安全の認証事業がついてくるため、ひとくくりにしました。化学分析で安全審査を実施していますが、工場のCSR監査もこの事業本部で行います。それぞれの事業本部の役割が明確になり、投資も事業全体を見て行うことができます。「変革と挑戦」をキーワードに、人財の成長によって技術力も高めていきます。
――この間、国内での投資も行った。
13年に東京本部、18年に大阪本部ビルに投資しました。東京は大改修するほど仕事量が増えた。インフラはほぼ整備できました。大阪は認証・分析、機能性事業が中心で、環境室もたくさんあります。岡山も建て替えました。この10年では海外でも上海に第2試験センターを設け、青島も拡大、常州も新試験センターに移転しました。次の10年は投資に対する回収の10年です。
――令和時代の課題は。
品質重視の時代になります。これまでの通り一遍のサービスではなく、顧客としっかりと取り組んだサービスが求められます。それがわれわれの目指す品質保証をサポートする、あるいは量から質への転換になります。サービスの内容は変わっていきます。繊維ではクオリティ事業、グローバル事業の二つを事業化していきます。
――具体的には。
これまでは事前検査一辺倒でした。それだけでは足りない。サプライチェーン全体の品質保証をするというニーズが強まっており、ボーケンとしてもそれに対応していきます。もっと川上の部分に入り、例えばサンプル品の性能チェック、工場の監査・管理。モノ作りの段階から入るコンサルティング的要素も強くなります。4月1日付けでクオリティ試験センターを東京に設け、大阪は品質サポート課で対応しています。
東京にはグローバル試験センターも設けました。お客さまの海外販売をサポートし、法律情報やISO試験などを提供します。大阪は品質サポート課がグローバル対応します。
――18年度(19年3月期)は。
国内の売上高は伸びていますが、海外が苦戦し、全体では微増です。定番的な事前検査は伸び悩んでいますが、コンサル的なものが好調です。この分野は価格競争に巻き込まれない。生活産業資材でもコンサル的業務が増えてきました。
繊維は顧客ニーズが変わっています。もっと原点から品質管理を見直す動きです。そのためにもサポートする人財育成が重要になります。国内でCSR監査をしっかり確立し、海外の現地に移植していきます。外国人財も登用していきたい。
――今年度、第6次3カ年計画がスタートしました。
対象分野、対象市場、対象サービスの三つを拡大していきます。繊維事業を含め5事業本部にしたのもそのためです。市場も中国、台湾、韓国、欧州、米国向けまで拡大します。対象サービスも事前検査に加え、各社の研究開発、生産管理、安全審査、認証業務、コンサルタント業務などにサービスを拡大します。現場力の強い職場づくりにも取り組みます。
〈平成の思い出/日本橋ビーボラボ〉
「平成時代の終わりの10年が理事長職。100年企業を目指せるよう基礎づくりを進めてきた」と堀場理事長。東京本部、大阪本部のほか、海外拠点の拡充も図ってきた。理事の時代の2006年には東京事業所「日本橋ビーボラボ」を開設。当時、検査機関の試験室を訪れる人は少なかった。「東京でのボーケンの知名度はまだ低く、日本橋ビーボラボは“見せる試験室”として設計。オープンしてから100回ほど見学会を開いて知名度アップにつなげた」経験がある。それが現在の試験室の原点にもなっている。
〔略歴〕
ほりば・はやと 1980年4月、財団法人日本紡績検査協会(現一般財団法人ボーケン品質評価機構)に入会。2005年7月理事東部事業所長、07年7月常務理事就任。09年7月から理事長。




