テクテキスタイル/合繊 独自性を発信/欧米開拓へ認知度向上
2019年05月08日 (水曜日)
「テクテキスタイル2019」が14~17日、ドイツ・フランクフルトで開催される。世界最大の産業用繊維・不織布見本市である同展。前回展(2017年)では55カ国・地域から1477社・団体が出展、104カ国・地域から3万3670人の来場者が訪れた。今回展も約1500社が出展する予定で、日本企業は海外子会社での出展も含めて21社がブースを構える。世界最新の産業用繊維・不織布が一堂に会するテクテキスタイルには日本の合繊メーカーも数多く出展。独自性を発信し認知度を高め、欧米市場のさらなる開拓を狙う。(西田貴夫)
今回展ではユニチカトレーディングが初出展し、常連組のクラレ、帝人、東洋紡、東レ、カネカと日本の合繊メーカーは6社が出展する。ユニチカトレーディングはユニチカの不織布事業部との共同出展。コンクリート剥落防止用のビニロン3軸メッシュ「トリネオ」を施工事例なども交えて紹介する。トリネオは国内の建築外壁剥落防止や老朽化補修用で実績があるものの、海外販売はこれから。同展を通じ欧州でのビニロン3軸製品の拡販を目指す。本体の不織布事業部はスパンボンド不織布で熱成形が可能な「マリックスAX」や剛性や通気性に優れた「ディラ」、綿100%スパンレース不織布「コットエース」など独自性の高い不織布を訴求し、新規用途の開拓に取り組む。
常連組のクラレは特殊機能を持つ独自繊維や不織布を出品する。開発品である、各種材料を練り込むことができるビニロン短繊維が見どころ。その他、高強力ポリアリレート繊維やそのメルトブロー不織布、耐熱ポリアミド短繊維なども打ち出す。
帝人グループはパラ系、メタ系アラミド繊維、高強力ポリエチレンテープ、高性能繊維による四軸織物、さらにポリエステルナノファイバー、各種機能性不織布などを幅広く出品し、多様なニーズに対応したソリューションを提案する。
東洋紡は東洋紡STC、日本エクスラン工業の3社共同での出展。「安全」「快適」をテーマに、高強力ポリエチレン繊維「ツヌーガ」、アクリレート系繊維「エクス」などを出品する。ツヌーガは欧米の耐切創性手袋向けが拡大しており、19年度下半期に増設を控えるだけに、同展を通じて開拓を狙う。
東レは高機能不織布、高性能繊維、環境配慮型素材の3カテゴリーで提案する。見どころは韓国子会社のトーレ・アドバンスド・マテリアルズ・コリア(TAK)が生産するメタ系アラミド繊維「アラウィン」。メタ系アラミド繊維ながら、短繊維だけでなく、長繊維もそろえる点が特徴。これに、ポリフェニレンサルファイド(PPS)繊維と耐炎化繊維複合の「ガルフェン」、液晶ポリエステル繊維「シベラス」、フッ素繊維「テフロン」など、同社グループの高性能繊維を徐々に拡充している。