帝人フロンティア/新フィブリル調生地開発/天蚕のタッチ再現

2019年05月08日 (水曜日)

 帝人フロンティアは、新フィブリル調ポリエステル織・編み物「フィブリット」を開発した。易フィブリルポリマーをベースに多様な技術を組み合わせて、シルクの中で最も柔らかいとされる天蚕(てんさん)のようなタッチと外観を付与した。婦人ファッション用途を中心に、20春夏物から販売する。

 フィブリットは、最高級シルクである天蚕の再現を目指して商品化した生地で、開発には過去のシルク調ポリエステル素材の高次加工技術を見直しながら新技術要素を取り入れた。易フィブリルポリマーをベースに分子配向制御と高次加工の技術を駆使することで、優しい手触りと上質な外観を実現した。

 従来のフィブリル生地の弱点だった洗濯耐久性や防シワ性を克服するイージーケア性を兼ね備え、洗濯50回後もドレープ性とフィブリルを維持する(同社調べ)。織物は薄地から中肉地まで幅広いバリエーションをそろえ、薄いタイプの目付(1平方メートル当たり)は90グラム。36ゲージの丸編み地なども提案する。

 ブラウスやアウターなど国内外の婦人ファッション市場に訴求する。販売計画は2019年度が1万メートル、20年度が10万メートル。21年度には15万メートルの販売規模に育てる。

 25、26日に東京都内で開催した総合展で初めて顧客に披露した。総合展ではポリトリメチレン・テレフタレート(PTT)繊維「ソロテックス」のデジタル施策を紹介したほか、環境活動指針「シンクエコ」のブースも充実。新素材では、高機能ニットラミネート素材「ファインセル」を使った“空気まとう構造体”も並べた。