菅公学生服/教育ソリューション事業、一段と強化/8月めどに新会社設立

2019年05月21日 (火曜日)

 菅公学生服は、教育ソリューション事業の広がりを受け、より特化して専門性を高めるため8月をめどに事業を分社化し新会社を立ち上げる。これまでの取り組みを通じて教育現場の課題など「ニーズがかなり見えてきた」(問田真司常務)ことから、新会社設立で事業拡大を加速するとともに、専門性を持つ人材育成も強める。

 同社は2013年から総合展を「スクールソリューションフェア」という形に変え、教育現場が抱えるさまざまな課題のソリューションを総合的に支援する姿勢を強めてきた。16年には学校教育のサポート事業を本格化するため、カンコー教育ソリューション研究協議会(東京都渋谷区)を設立。フェアの内容を17年に新商品よりも教育ソリューションの取り組みを前面に出しながら、事業の方向性を探ってきた。

 昨年のフェアでは非認知能力を育む独自プログラムなどを紹介。フェアへの来場者は毎年増加する傾向で、新しい学校との関係構築だけでなく、制服を供給する「既存の学校とも関係を深めることができている」(問田常務)と言う。

 学校へのキャリア教育だけではなく、行政へも取り組みが拡大。子供たちが将来、地元を活躍の場に選ぶような教育を推進する、岡山県井原市の「ふるさと井原の未来を創るひとづくり事業」ではアドバイザーとして参画。他の地域の行政とも連携が進む。

 事業が広がる中で「より専門性を持った社員が必要であり、特化してその専門性を高めていく必要がある」ことから事業を分社化。文部科学省がソサエティー5・0に向けた人材育成にかかる教育政策を掲げる中、学校の教育現場で人づくりへの「課題が大きくなる」可能性から、新会社の設立でこれからのニーズへの対応力を強める。

〈今入学商戦は増収へ〉

 菅公学生服の今入学商戦は、学校制服のモデルチェンジ(MC)校の獲得、店頭商品、スクールスポーツとも販売目標を達成し、前年よりも増収になりそうだ。教育ソリューション事業や直接訪問による学校へのアプローチが奏功。MC校は関東、関西、中京での獲得が多く、中でも関東が健闘した。スポーツも「カンコープレミアム」を中心に自社ブランドの採用が増えた。

 来年の入学商戦に向けてもMC校の獲得は順調。一方、販路拡大で商品供給の体制強化が課題になりつつあることから、群馬県高崎市と宮崎県都城市に倉庫を設置し、安定供給に努める。11月中には稼働を予定する。