豊島/オーガビッツの提案強化/海外素材や産地とコラボ

2019年05月21日 (火曜日)

 豊島は20春夏から、オーガニックコットンブランド「オーガビッツ」を使った生地の提案を強める。海外生地メーカーや国内産地と共同開発した生地も打ち出す。国内アパレルやセレクトショップにファッション素材として浸透させる。風合いや光沢感に優れたトルコ産のオーガニックコットンを採用し、コットンが持つ魅力を強調する。

 新規に投入するのが、イタリアの生地メーカー、ポンテトルト社と開発したジャージー。高機能・高性能糸を使うポンテトルト社の独自製法「スポーツシステム」を取り入れた。ジャケットなどに幅広く提案する。

 先シーズンに続き、イタリアのベステ社と共同開発した麻やシルクとの混紡素材も提案する。アウターやパンツ向けを得意とするベステ社のノウハウを生かす。

 国内の織・編み物の産地と連携した開発素材も展開する。布帛では遠州、播州などの技術を生かし、綿がもたらす光沢とソフトな風合いを打ち出す。和歌山で育まれた丸編み生産の技術力も駆使し、上質な丸編み製品素材を開発する。

 日本環境設計の繊維製品のリサイクル事業「ブリング」とオーガビッツとの複合も。落ちわたなどのリサイクル品とオーガビッツを組み合わせることで、「究極のトレーサビリティー素材」を生み出していく。

 14~17日に東京本社(千代田区)で開催した20春夏メンズ展は、オーガビッツをメインに据えた。1930年代に綿畑で働きながら米国全土を渡り歩き「ホーボー」と呼ばれた人たちのイメージに、オーガビッツの開発素材を乗せて提案した。

 展示会では「天然回帰」を打ち出し、リネンの混紡素材を出品。リネンの風合いを生かしながら、イージーケア性を備えた生地を訴求した。