繊維は新材料 テクテキスタイル2019(3)/存在感示す帝人グループ

2019年05月30日 (木曜日)

 世界最大の産業用繊維・不織布の国際見本市「テクテキスタイル2019」には合繊メーカーの多くが継続出展する。日本企業では3回連続で出展していた三菱ケミカルが今回取り止めたものの、ユニチカトレーディングが初出展したことでカネカ、クラレ、帝人、東レ、東洋紡を合わせ前回と同数の6社が顔をそろえた。

 世界の合繊メーカーがブースを構えるのは例年4号館(従来の4・1ではなく今回は4・2に変更)で、日本企業だけでなく、インドラマ、レンチング、ファイバービジョンズ、暁星、ヒュービス、コーロンなど著名な化繊メーカーが出展する。

 その4号館の入り口正面に必ずブースを構えるのが帝人グループだ。オランダのアラミド繊維製造子会社、テイジン・アラミドと帝人フロンティアによる共同出展も恒例。今回も日系企業では最大のスペースを誇った。さらに3号館には帝人フロンティアの子会社であるドイツのジーグラーも単独ブースを構えていた。

 テイジン・アラミドは昨秋から「アラミド・バイ・テイジン ビー・シュア」という企業スローガンを打ち出しながら、パラ系アラミド繊維「トワロン」「テクノーラ」、メタ系アラミド繊維「コーネックス」「コーネックス・ネオ」、高強力ポリエチレンテープ「エンデュマックス」など多彩な高性能繊維を提案した。

 これだけの高性能繊維を持つ企業は珍しく、世界を代表する高性能繊維メーカーとしての存在感を十分に示していた。

 テイジン・アラミドによると、トワロンはアジア地域で光ファイバーのテンションメンバー(緊張材=軸の中心に配し、細くて引っ張りに弱い光ファイバーの伸びを抑える)や自動車向けが好調で、「タイトな状況が続いている」と言う。

 共同出展した帝人フロンティアは四つの部署からの出展。ポリエステルナノファイバー「ナノフロント」、クッション材「エルク」、長繊維不織布「ユニセル」、さらに吸音材用不織布などを出品したが、来場者から最も関心が高かったのが4軸織物。「テクテキスタイルへの出品は初めて。今年1月に日本のある展示会で披露したばかり」と言う。

 実はこの4軸織物の用途が広がっている。