繊維は新材料 テクテキスタイル2019(2)/PVに引けを取らない

2019年05月29日 (水曜日)

 世界最大の産業用繊維・不織布の国際見本市「テクテキスタイル2019」には54カ国・地域から約千社が出展した。2月に開催されたファッション素材の国際見本市「プルミエール・ヴィジョン(PV)・パリ」が6見本市合計で世界50カ国・地域から約1800社であり、引けは取らない。

 来場者数もそれぞれ約4万7千人(縫製機器・関連技術の国際見本市「テックスプロセス2019」との合計)、約5万3千人であり、実数では及ばないものの、それほど大きな差ではない。

 そこから判断すると、世界の繊維産業における産業用繊維・不織布とファッション衣料の重要性は変わらないとも言える。ただ、日本の繊維産業での産業用繊維・不織布は海外以上に重要性は高い。

 その指標の一つになるのが、日本化学繊維協会が発表している化学繊維ミル消費量調査。ミル消費量とは、糸・わたメーカーの国内生産(出荷)から輸出量を除き、海外からの糸・わたの輸入を加えたもの。国内の化合繊メーカーの直接ユーザー=織り・編み段階、産業資材など)の消費量を示す指標とされる。

 同調査によると、国内のミル消費量は2000年から2017年の間で約17%減少した。しかも、国産品は約49%減、輸入品は約2・8倍。輸入品の比率は17年49%(00年は15%)に達した。

 用途別に見ると、衣料用は17年間で約56%減、家庭・インテリア用は約4・0%増、産資用は約0・3%増。つまり、衣料用以外は減っていない。

 17年用途別構成比率は衣料用18%(00年34%)、家庭・インテリア用51%(40%)、産資用31%(26%)で、日本のミル消費量の82%が非衣料となっている。

 しかも、家庭・インテリア用には紙おむつなど衛生材料向け不織布用が含まれる(約半分)ため、純粋な家庭・インテリア用は減っている。その衛生材料向け不織布と産業資材を合わせると約53万トンとなり、衣料用の3倍の規模になる。

 これは、日本の繊維産業において、産業用繊維・不織布の重要性が高いことを数字として示している。当然、合繊メーカーもその傾向が強く、テクテキスタイル2019には日本の合繊メーカー6社が出展した。その代表格が帝人グループになる。