江蘇省輸出商品展レビュー(前)/新局面に柔軟姿勢

2019年05月29日 (水曜日)

 大阪市中央区のマイドームおおさかで開かれた「中国江蘇省輸出商品展示会」(同省商務庁主催、日中経済貿易センター、大阪商工会議所共催)が21~23日の会期を終え閉幕した。中国企業による衣料OEMは、米中貿易摩擦の拡大、中国環境規制の強化などにより新しい局面を迎えた。主催者発表の来場者数は速報値で約2200人。

 23回目の開催となった今回、初日は前夜からの雨が晴れ上がり、繊維事業の関係者が各地から会場を訪れた。2日目、3日目も晴天に恵まれた。

 246ブースが設置され、うちアパレル・ホームファブリックが103ブースを占めた。日用品・ギフトが93ブース、靴・帽子が50ブースだった。

 常州龍河時装は、ミシン200台を備え、年間100万着を生産する。ブースでの展示品は、ポリエステルやウールの婦人物スカート、パンツが目立った。取引先は日本が大半を占める。米中貿易摩擦の拡大で関税が上がり、米国向け工場の生産スペースが空くことで、それが他の市場向けに動くので、「競争が激化することを心配」しつつも、差別化やコスト対応に柔軟な姿勢を見せる。

 具体的には、吸湿発熱など機能素材を強化し、競争激化時代に立ち向かう。コスト対策として山東省にミシン60台、従業員100人の工場を新設した。

 丹陽柏盛服装は、1996年設立で通販大手との取引がある。織機40台の自社デニム織布が強みであり、それを縫製品に生かす。コスト対策として、2013年にカンボジアにミシン500台、従業員1300人の工場を作った。これは今のところ欧州向けが主体と言う。