テックスプロセス2019/JP6社欧州輸出に手応え/「内容濃く、成約率高い」

2019年06月03日 (月曜日)

 5月14~17日にドイツ・フランクフルト国際見本市会場で開催された縫製機器と関連技術の国際見本市「テックスプロセス2019」で、日本縫製機械工業会(JASMA)による「ジャパンパビリオン」(JP)に出展した6社は欧州での新顧客開拓に一定の手応えを得た。JPは前回展(17年)からJASMAが設けたもの。今回展は前回より2社多い6社が出展した。

 工業用ミシン部品の釜を製造する広瀬製作所(大阪市北区)は前回展に続いてのJP出展。「テックスプロセスは本当に関心がある来場者しか当社ブースに訪れないので、成約率は30%近くと高い」とする。

 同じく2度目のJP出展の佐文工業所(新潟市)は工業用ミシンの釜、ボビンケースなどを製造する。「欧州輸出の比率は高くないので商流を拡大したい。その手段として出展した」と話す。前回も成果を得たが、今回は東欧、ロシア、トルコに加えパキスタン企業が関心を示し「内容も濃い」と言う。

 ボビンケース製造の東和製作所(新潟県新発田市)はJPに初出展した。ボビンケースより「新提案したデジタルのテンションゲージへの問い合わせが多かった。思惑は外れたが、欧米企業との成約につながりそう。出展した甲斐はあった」と話す。

 工業用ミシン部品製造の木下精密工業(名古屋市北区)では特に下糸検出装置への関心が高く、「既存のミシンに同装置だけを装着できるかなどの問い合わせもあった」。同社は前々回(13年)に単独ブースを構えて以来の出展でJP出展は初。

 かばん、靴、家具、産業資材など厚地専用工業用ミシン製造のセイコーミシン(千葉県船橋市)は極厚地向けの新機種「BSC」シリーズを持ち込んだ。同社は2度目のJP出展。6月に生産を開始する同シリーズはフトコロの広さが350㍉×120㍉もあり、「大きな縫製物に対応できる」ことから注目された。「欧州輸出は代理店販売なので、JP出展により欧州へのアピールができたのでないか」とみる。

 縫製関連機器製造のハシマ(岐阜市)はJPでは初出展。X線による異物検査装置「X―RAY」が好評だった。欧州の著名アウトドアアパレルも導入する同装置だが「成約に結び付きそう。東欧はじめ新情報も入手できた」と手応えを示した。